診療報酬

今回の改定では、医科点数表の「第2章 特掲診療料」に「第14部 その他」が新設され、ここに医療従事者の賃上げを実現するために新設された「ベースアップ評価料」が位置づけられました。また、「入院料等」の中で扱われていた「看護職員処遇改善評価料」も今回の改定により「その他」に移動しました。

外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)

  1. 初診時 6点
  2. 再診時等 2点
  3. 訪問診療時
    1. イ)同一建物居住者等以外 28点
    2. ロ)
      イ以外 7点
      (点数はいずれも1日につき)

今回の改定の重点課題である医療従事者の賃上げに直接結びつくような評価体系とするために新設された点数項目です。名称にあるように、外来医療や在宅医療を行う医療機関が対象で、確実な賃上げにつなげるために、施設基準には「2024年度及び25年度に対象職員の賃金改善を実施しなければならない」ことが明記されているほか、「賃金改善計画書」や「賃金改善実績報告書」を作成して、地方厚生(支)局長に報告することが義務付けられています。

【主な算定要件】

  • 入院中の患者以外が対象
  • 「1」は「初診料」「小児科外来診療料(初診時)」「小児かかりつけ診療料(初診時)」の算定日に算定
  • 「2」は「再診料」「外来診療料」「短期滞在手術等基本料1」「小児科外来診療料(再診時)」、「外来リハビリテーション診療料」「外来放射線照射診療料」「地域包括診療料」「認知症地域包括診療料」「小児かかりつけ診療料(再診時)」、「外来腫瘍化学療法診療料」の算定日に算定
  • 「3のイ」は「在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の同一建物居住者以外の場合」「在宅がん医療総合診療料(訪問診療を行った場合に限る)」の算定日に算定
  • 「3のロ」は「在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の同一建物居住者の場合」「在宅患者訪問診療料(Ⅱ)」の算定日に算定

【主な施設基準】

  • 対象は次表の職員で、専ら事務作業(医師事務作業補助者、看護補助者等の医療を専門とする職員の補助として行う事務作業を除く)を行うものは含まれない
  • 2024年度及び25年度に対象職員の賃金(役員報酬を除く)の改善(定期昇給を除く)を実施しなければならない
  • 当該評価料は、対象職員のベア等及びそれに伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いること。ただし、ベア等を行った医療機関において、患者数等の変動等により当該評価料による収入が上記の増加分を上回り、追加でベア等を行うことが困難な場合であって、賞与等の手当によって賃金の改善を行った場合又は2024年度及び25年度において翌年度の賃金の改善のために繰り越しを行う場合(26年12月までに賃金の改善措置を行う場合に限る)についてはこの限りではない。いずれの場合においても、賃金の改善の対象とする項目を特定して行うこと。なお、当該評価料によって賃金の改善を実施する項目以外の賃金項目(業績等に応じて変動するものを除く)の水準を低下させてはならない
  • 2024年度に対象職員の基本給等を23年度と比較して2.5%以上引き上げ、25年度に23年度と比較して4.5%以上引き上げた場合は、40歳未満の勤務医及び勤務歯科医並びに事務職員等の当該医療機関に勤務する職員の賃金(役員報酬を除く)の改善(定期昇給によるものを除く)を実績に含めることができる
  • 「賃金改善計画書」及び「賃金改善実績報告書」を作成し、定期的に地方厚生(支)局長に報告する
  • 対象職員に対して、賃金改善の実施方法等について「賃金改善計画書」の内容を用いて周知するとともに、就業規則等の内容についても周知する

【対象職種(主として医療に従事する職員に限る)】

薬剤師/保健師/助産師/看護師/准看護師/看護補助者/理学療法士/作業療法士/視能訓練士/言語聴覚士/義肢装具士/歯科衛生士/歯科技工士/歯科業務補助者/診療放射線技師/診療エックス線技師/臨床検査技師/衛生検査技師/臨床工学技士/管理栄養士/栄養士/精神保健福祉士/社会福祉士/介護福祉士/保育士/救急救命士/あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師/柔道整復師/公認心理師/診療情報管理士/医師事務作業補助者/その他医療に従事する職員(医師・歯科医師を除く)

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