診療報酬

初診料 291点

初診料は、初めて診察が行われた日に算定します。同一医療機関で同一日に他の傷病について別の診療科を初診として受診した場合は、2つ目の診療科に限り146点を算定できます。また、情報通信機器を用いた初診を行った場合は253点(2つ目の診療科の場合は127点)を算定できます。

今回の改定では、外来診療における標準的な感染防止対策を日常的に講じることが必要となったこと、さらに職員の賃上げを実施する観点から、点数が引き上げられました。

また、加算として「発熱患者等対応加算」「抗菌薬適正使用体制加算」「医療DX推進体制整備加算」が新設されました。既存の加算については「外来感染対策向上加算」の要件等が見直されたほか、「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」が「医療情報取得加算」へと名称変更・再編されました。

機能強化加算 80点

専門医療機関への受診の要否判断などを含めた、初診時におけるかかりつけ医機能を評価した加算です。初診料だけではなく、小児かかりつけ診療料の初診時にも算定可能です。対象となるのは診療所又は許可病床200床未満の病院のみで、▽地域包括診療加算又は地域包括診療料の届出▽小児かかりつけ診療料の届出▽在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の届出―のいずれかを満たすなどの施設基準が設定されています。

今回の改定では、特に大きな変更などはありませんでした。

外来感染対策向上加算 6点(月1回)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、地域で外来診療を担う診療所における感染防止対策を評価するため、2022年度改定で新設された加算です。初診料、再診料、一部の医学管理等及び在宅医療の項目などにも加算できます。

今回の改定では、第8次医療計画における新興感染症発生・まん延時に備え、発熱患者等への対応をさらに推進する観点から、要件等が見直されました。また、「発熱患者等対応加算」と「抗菌薬適正使用体制加算」が新設されました。

【主な施設基準】

  • 診療所である
  • 「感染防止対策部門」を設置している
  • 感染防止対策部門内に専任の医師、看護師又は薬剤師、その他の医療有資格者を院内感染管理者として配置
  • 感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者の具体的な業務内容を整備
  • 院内感染管理者により、感染対策のマニュアルを作成し、各部署に配布
  • 院内感染管理者により、職員を対象とした院内感染対策に関する研修が年2回程度行われている
  • 院内感染管理者は、年2回程度、感染対策向上加算1の届出医療機関又は地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加している(カンファレンスは、ビデオ通話でも可)。また、感染対策向上加算1の届出医療機関又は地域の医師会が主催する、新興感染症の発生等を想定した訓練に年1回以上参加
  • 院内の抗菌薬の適正使用について、連携する感染対策向上加算1の届出医療機関又は地域の医師会から助言を受ける
  • 院内感染管理者は、週1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行う
  • 院内の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取り組み事項を掲示している
  • 外来において、受診歴の有無に関わらず、発熱その他感染症を疑わせるような症状の患者を受け入れる旨を公表し、必要な感染防止対策として発熱患者等の動線を分ける等の対応を行う体制を有している
  • 感染症法の規定に基づき都道府県知事の指定を受けている第二種協定指定医療機関である(2024年3月31日時点での届出医療機関は24年12月31日まで経過措置)
  • 新興感染症の発生時等に、発熱患者の診療等を実施することを念頭に、動線を分けることができる体制
  • 「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の推進に資する取り組みを行っている
  • 新興感染症の発生時や院内アウトブレイクの発生時等の有事の際の対応を想定した地域連携に係る体制について、連携する感染対策向上加算1の届出医療機関等とあらかじめ協議している
  • 感染症から回復した患者の罹患後症状が持続している場合に、当該患者の診療について必要に応じて精密検査が可能な体制又は専門医への紹介が可能な連携体制があることが望ましい
  • 感染対策向上加算の届出を行っていない

発熱患者等対応加算 20点(月1回)

今回の改定で新設された加算です。発熱、呼吸器症状、発しん、消化器症状又は神経症状その他感染症を疑わせるような症状の患者に、空間的・時間的分離を含む適切な感染対策の下で診療を行った場合に、外来感染対策向上加算にさらに上乗せして加算できます。

連携強化加算 3点(月1回)

感染対策向上加算1を算定する医療機関に対して感染症の発生状況や抗菌薬の使用状況などを報告している場合に、外来感染対策向上加算にさらに上乗せして加算できます。

サーベイランス強化加算 1点(月1回)

地域や全国のサーベイランスに参加している場合に、外来感染対策向上加算に上乗せして加算できます。

抗菌薬適正使用体制加算 5点(月1回)

今回の改定で新設された加算です。次の施設基準を満たし届け出た医療機関で、外来感染対策向上加算に上乗せして加算できます。

【主な施設基準】

  1. 抗菌薬の使用状況のモニタリングが可能なサーベイランスに参加している
  2. 直近6カ月において使用する抗菌薬のうち、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率が60%以上又は①のサーベイランスに参加する診療所全体の上位30%以内である

医療情報取得加算
初診料
医療情報取得加算13点(月1回)
医療情報取得加算21点(月1回)
再診料・外来診療料
医療情報取得加算32点(3カ月に1回)
医療情報取得加算41点(3カ月に1回)

今回の改定で、医療情報・システム基盤整備体制充実加算を名称変更・再編して新設された加算です。オンライン資格確認システムを導入している医療機関において、同システムによって患者の診療情報等を取得した場合又は他の医療機関から診療情報を受けた場合は加算2・4を、問診等により情報を取得して診療を行った場合は加算1・3を算定します。

医療情報・システム基盤整備体制充実加算は初診時のみの算定でしたが、医療情報取得加算は再診時も算定できるようになりました。ただし、初診時の点数は1点ずつ引き下げられています。

なお、施設基準を満たしていればよく、届出の必要はありません。

【主な施設基準】

  1. レセプトオンライン請求を行っている
  2. オンライン資格確認を行う体制を有している
  3. 次の事項を医療機関の見やすい場所に掲示している
    1. ア)
      オンライン資格確認を行う体制を有していること
    2. イ)
      当該医療機関を受診した患者に対し、受診歴、薬剤情報、特定健診情報その他必要な診療情報を取得・活用して診療を行うこと
  4. ③の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載している。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない場合は、この限りではない(2025年5月31日までは経過措置)

医療DX推進体制整備加算 8点(月1回)

2024年10月改定にて、医療DX推進体制整備加算・ 医療情報取得加算の見直しが行われました。
詳しくは下記のリンクよりご確認ください。

オンライン資格確認システムを通じた診療情報等の取得やその活用、さらに電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスなどを導入し、医療DXに対応できる体制を整えていている医療機関を評価するために今回の改定で新設された加算です。初診を行った場合に月1回限り算定できます。

【主な施設基準】

  1. レセプトオンライン請求を行っている
  2. オンライン資格確認を行う体制を有している
  3. オンライン資格確認等システムの活用により、患者の薬剤情報、特定健診情報等を診察室、手術室、処置室等で医師等が閲覧及び活用できる体制を有している
  4. 電子処方箋を発行できる体制を有している(2025年3月31日まで経過措置)
  5. 電子カルテ情報共有サービスにより取得される診療情報等を活用する体制を有している(2025年9月30日まで経過措置)
  6. マイナ保険証の利用率が一定割合以上である(2024年10月1日から適用。利用割合は別途示す予定)
  7. 次の事項を医療機関の見やすい場所に掲示している
    1. ア)
      オンライン資格確認等システムにより取得した診療情報等を活用して診療を実施している医療機関であること
    2. イ)
      マイナ保険証の利用を促進する等、医療DXを通じて質の高い医療を提供できるよう取り組んでいる医療機関であること
    3. ウ)
      電子処方箋の発行及び電子カルテ情報共有サービスなどの医療DXにかかる取組を実施している医療機関であること(2025年9月30日まで経過措置)
  8. ⑦の掲示事項について、原則として、ウェブサイトに掲載している。ただし、自ら管理するホームページ等を有しない場合はこの限りではない(2025年5月31日まで経過措置)

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