診療報酬

地域包括医療病棟入院料 3,050点(1日につき)

高齢の救急搬送患者等を受け入れて、リハビリ、栄養管理、口腔管理、入退院支援、在宅復帰等の機能を包括的に提供する病棟として、今回の改定で新設された特定入院料です。包括項目は次のとおりで、DPC/PDPSに近い包括範囲となっています。

【地域包括医療病棟入院料に含まれる項目(包括範囲)】

  • 入院基本料
  • 入院基本料等加算(ただし、次の項目は算定可)
    臨床研修病院入院診療加算/救急医療管理加算/在宅患者緊急入院診療加算/医師事務作業補助体制加算/地域加算/離島加算/特定感染症患者療養環境特別加算/栄養サポートチーム加算/医療安全対策加算/感染対策向上加算/患者サポート体制充実加算/報告書管理体制加算/褥瘡ハイリスク患者ケア加算/病棟薬剤業務実施加算1/データ提出加算/入退院支援加算1(一般病棟入院基本料等の場合)/医療的ケア児(者)入院前支援加算/認知症ケア加算/薬剤総合評価調整加算/排尿自立支援加算/地域医療体制確保加算/協力対象施設入所者入院加算
  • 医学管理等のうち、手術前医学管理料、手術後医学管理料
  • 検査(ただし、次の項目は算定可)
    心臓カテーテル検査、内視鏡検査、診断穿刺・検体採取料(血液採取を除く)及びこれらに伴う薬剤・特定保険医療材料
  • 画像診断(ただし、次の項目は算定可)
    画像診断管理加算、造影剤注入手技(主要血管の分枝血管を選択的に造影撮影した場合)並びにそれに伴う薬剤及び特定保険医療材料
  • 投薬、注射(ただし、次の項目は算定可)
    除外薬剤・注射薬、無菌製剤処理料
  • リハビリテーション及び精神科専門療法で使用される薬剤(リハビリテーション・精神科専門療法は算定可)
  • 処置のうち、1,000点未満のもの及びそれらに伴う薬剤・特定保険医療材料
  • 病理標本作製料(ただし、術中迅速病理組織標本作製は算定可)

【主な算定要件】

  • 90日を超えた場合は地域一般入院料3の点数を算定する
  • 全入棟患者に対し、入棟後、原則48時間以内にADL、栄養状態、口腔状態について評価し、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る計画を作成する(退棟時にも評価を行うこと及びリスクに応じた期間で再評価を実施することが望ましい)
  • 入院患者のADL等の維持、向上等に係るカンファレンスが定期的に開催されており、医師、看護師、当該病棟に専従の理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士(以下、専従の理学療法士等)、専任の管理栄養士及び必要に応じてその他の職種が参加している
  • 当該病棟に専従の理学療法士等は、当該病棟の患者に対し、疾患別リハビリテーション等の提供等により、全ての入院患者に対するADLの維持、向上等を目的とした指導を行うこととし、疾患別リハビリテーション料等の対象とならない患者についても、ADLの維持、向上等を目的とした指導を行う。このため、専従の理学療法士等は1日6単位を超えた疾患別リハビリテーション料等の算定はできないものとする
  • 当該病棟に専任の管理栄養士は、全ての入院患者に対する低栄養の予防、改善等を目的とした栄養管理を行い、多職種のカンファレンスにおいて、患者の状態を踏まえ、必要に応じ食事調整(経口摂取・経管栄養の開始を含む)に関する提案を行う
  • 患者が退院又は退棟した場合、退院又は退棟した先について診療録に記載する

【主な施設基準】

  • 病院の一般病棟を単位として行う
  • 看護職員配置10対1以上(看護師比率70%以上)
  • 専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士、常勤言語聴覚士が2名以上配置
  • 専任の常勤管理栄養士が1名以上配置
  • 患者1人当たり病室面積6.4㎡以上が望ましい
  • 廊下幅は1.8m以上(両側居室は2.7m以上)が望ましい
  • 一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合が「Ⅰ」は16%以上、「Ⅱ」は15%以上
  • 入棟初日にB得点が3点以上の患者が50%以上
  • 平均在院日数21日以内
  • 在宅復帰率80%以上
  • 自院の一般病棟からの転棟患者の割合が5%未満
  • 救急用自動車等による緊急搬送患者又は他医療機関で救急患者連携搬送料を算定し、搬送された患者の割合が15%以上
  • 第2次救急医療機関又は救急告示病院である
  • 常時、必要な検査、CT撮影、MRI撮影を含む救急患者への対応が実施できる体制
  • データ提出加算の届出
  • 特定機能病院以外の病院である
  • 急性期充実体制加算の届出を行っていない
  • 専門病院入院基本料の届出を行っていない
  • 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)及び運動器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)の届出
  • 入退院支援加算1の届出
  • 直近1年間に当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院・末期がん患者を除く)のうち、退院又は転棟時におけるBI(Barthel Index:基本的日常生活活動度)の合計点数が、入院時から低下した患者の割合が5%未満
  • BIの測定に関わる職員研修会を年1回以上開催
  • 休日を含め全ての日にリハビリを提供できる体制

なお、加算としては次の各項目が設定されています。このうち、「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算」は、早期からの離床や経口摂取が図られるよう、多職種協働によるリハビリ、栄養・口腔管理の取り組みを評価しています。その他、夜間を含めた看護職員・補助者の配置等が評価されています。

【地域包括医療病棟入院料の加算】
初期加算(1日につき、14日限度)150点
看護補助体制加算
(1日につき、14日限度)
25対1
(看護補助者5割以上)
240点
25対1
(看護補助者5割未満)
220点
50対1 200点
75対1 160点
夜間看護補助体制加算
(1日につき)
30対1 125点
50対1 120点
100対1 105点
夜間看護体制加算(1日につき) 71点
看護補助体制充実加算(1日につき)

身体的拘束の実施日は「3」で算定
(2025年6月1日より適用)

1 25点
2 15点
3 5点
看護職員夜間12対1配置加算
(1日につき、14日限度)
1 110点
2 90点
看護職員夜間16対1配置加算
(1日につき、14日限度)
1 70点
2 45点
リハビリテーション・栄養・口腔連携加算
(1日につき、14日限度)
80点

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