診療報酬

処置

処置は各処置料と、処置医療機器等加算、薬剤料、特定保険医療材料料で構成されています。

通則の加算として、「時間外等加算」(参照)、「耳鼻咽喉科乳幼児処置加算」、「耳鼻咽喉科小児抗菌薬適正使用支援加算」が設定されています。

耳鼻咽喉科処置

今回の改定では、「鼓室処置(片側)」「鼻咽腔止血法(ベロック止血法)」の点数が引き上げられた一方で、「耳垢栓塞除去(複雑なもの)」の点数は引き下げとなりました。

耳鼻咽喉科処置の点数
耳鼻咽喉科処置の点数

※: 入院中の患者以外が対象

人工腎臓

今回の改定では「慢性維持透析の場合」について、包括医薬品の実勢価格を踏まえ評価が見直されたほか、「導入期加算」の要件や評価が見直されました。

各区分の点数は次表のとおりですが、「慢性維持透析の場合」は透析液(灌流液)、血液凝固阻止剤、生理食塩水、エリスロポエチン製剤、ダルベポエチン製剤、エポエチンベータペゴル製剤、HIF-PH阻害剤の費用が包括され、別に算定できません。

妊娠中以外の患者には、人工腎臓と持続緩徐式血液濾過を併せて月14回に限り算定できます。また、在宅自己腹膜灌流指導管理料の算定患者は「腹膜灌流の1〔連続携行式腹膜灌流〕」の実施回数と併せて週1回に限り、在宅血液透析指導管理料の算定患者は週1回に限り算定できます。

【人工腎臓の点数(1日につき)】

慢性維持透析の場合 1 2 3
  4時間未満 1,876点 1,836点 1,796点
  4時間以上5時間未満 2,036点 1,996点 1,951点
  5時間以上 2,171点 2,126点 2,081点
その他の場合 1,580点

【「慢性維持透析の場合」の1と2の主な施設基準】

  • 関連学会から示されている基準に基づき、水質管理が適切に実施されている
  • 透析機器安全管理委員会を設置し、その責任者として専任の医師又は専任の臨床工学技士を1名以上配置
  • 「1」は次のいずれかを満たす
    1. 透析用監視装置の台数が26台未満
    2. 透析用監視装置1台当たりの人工腎臓(慢性維持透析の場合)の算定患者数(外来患者に限る)の割合が3.5未満
  • 「2」は次のいずれも満たす
    1. 透析用監視装置の台数が26台以上
    2. 透析用監視装置1台当たりの人工腎臓(慢性維持透析の場合)の算定患者数(外来患者に限る)の割合が3.5以上4.0未満

導入期加算 (1日につき、1カ月限り)
導入期加算1 200点
導入期加算2 410点
導入期加算3 810点

人工腎臓の導入に当たって、腎代替療法についての患者への説明状況や腹膜透析及び腎移植の実績を評価している加算です。

今回の改定では、腎代替療法に関する情報提供及び共同意思決定をさらに推進する観点から、加算2と3の要件として「心血管障害を含めた全身合併症などについて十分な説明を行うこと」が追加されました。

【主な施設基準】

〈導入期加算1〉
  1. ア.
    関連学会の作成した資料又はそれらを参考に作成した資料に基づき、患者ごとの適応に応じて、腎代替療法について、患者に対し必要な説明を行っている
  2. イ.
    腎代替療法に係る所定の研修の修了者が配置されていることが望ましい
〈導入期加算2〉
次の全てを満たしている
  1. ア.
    「加算1」のアを満たしている
  2. イ.
    腎代替療法に係る所定の研修の修了者が配置
  3. ウ.
    研修の修了者が、「加算3」の算定施設が実施する腎代替療法に係る研修を定期的に受講している
  4. エ.
    在宅自己腹膜灌流指導管理料を過去1年間で24回以上算定している
  5. オ.
    腎移植について、患者の希望に応じて適切に相談に応じており、かつ、腎移植に向けた手続きを行った患者が前年に2人以上
  6. カ.
    腎代替療法を導入するに当たって、「加算1」のアに加え、心血管障害を含む全身合併症の状態及び当該合併症について選択することができる治療法について、患者に対し十分な説明を行っている
〈導入期加算3〉
次の全てを満たしている
  1. ア.
    「加算1」のア及び「加算2」のイを満たしている
  2. イ.
    腎臓移植実施施設として、日本臓器移植ネットワークに登録された施設であり、移植医と腎代替療法に係る所定の研修の修了者が連携して診療を行っている
  3. ウ.
    「加算1」又は「加算2」の算定施設と連携して、腎代替療法の研修を実施し、必要に応じて、当該連携施設に対して移植医療等の情報提供を行っている
  4. エ.
    在宅自己腹膜灌流指導管理料を過去1年間で36回以上算定している
  5. オ.
    腎移植について、患者の希望に応じて適切に相談に応じており、かつ、腎移植に向けた手続きを行った患者が前年に5人以上
  6. カ.
    当該医療機関において献腎移植又は生体腎移植を実施した患者が前年に2人以上
  7. キ.
    「加算2」のカを満たしている

【その他の人工腎臓の加算】

時間外・休日加算(入院中の患者以外) 380点

17時以降開始もしくは21時以降終了又は休日の場合

障害者等加算(1日につき) 140点

著しく人工腎臓が困難な障害者等の場合

透析液水質確保加算 10点

月1回以上水質検査を実施し、関連学会から示されている基準を満たした血液透析濾過用の置換液を作製し、使用している場合。施設基準を満たし届出が必要

下肢末梢動脈疾患指導管理加算(月1回) 100点

下肢末梢動脈疾患の重症度等を評価し、必要な指導管理を行った場合。施設基準を満たし届出が必要

長時間加算 150点

通常の人工腎臓では管理が困難な兆候を有する患者に6時間以上の人工腎臓を行った場合

慢性維持透析濾過加算 50点

「透析液水質確保加算」の施設基準を満たし、届け出た医療機関で慢性維持透析濾過(複雑なもの)を行った場合。「複雑なもの」とは、血液透析濾過のうち、透析液から分離作製した置換液を用いて血液透析濾過を行うこと

透析時運動指導等加算(指導開始日から90日限度) 75点

医師、看護師、理学療法士又は作業療法士が療養上必要な訓練を行った場合に算定

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