診療報酬はやわかりマニュアル

診療報酬

入院基本料及び特定入院料には、それぞれの医療機関の機能等に応じて算定可能な各種加算が設定されています。これを「入院基本料等加算」と言います。

今回の改定では、急性期充実体制加算、紹介受診重点医療機関入院診療加算、重症患者初期支援充実加算などが新設されています。

急性期充実体制加算 (1日につき)

  • 7日以内 460点
  • 8日以上11日以内 250点
  • 12日以上14日以内 180点

新型コロナウイルス感染症の感染拡大において果たした医療機関の役割等も踏まえ、手術や救急医療等の高度・専門的な急性期医療の提供体制を確保している医療機関を評価するための新設加算です。

対象は急性期一般入院料1の届出医療機関に限られ、手術等の実績要件などを含めて高いハードルが設定されています。点数は日数に応じて3区分されており、入院から14日を限度に算定できます。「総合入院体制加算」は別に算定できません。

【主な施設基準】

  • 急性期一般入院料1の届出
  • 手術等に係る実績として、以下のいずれかを満たす
  • ※【 】内は許可病床300床未満の医療機関の要件
    1. ア.
      以下のうち、(イ)及び、(ロ)から(へ)までのうち4つ以上を満たす
      1. (イ)
        全身麻酔による手術2,000件/年以上(うち、緊急手術350件/年以上)【許可病床1床当たり6.5件/年以上(うち、緊急手術1.15件/年以上)】
      2. (ロ)
        悪性腫瘍手術400件/年以上【許可病床1床当たり1.0件/年以上】
      3. (ハ)
        腹腔鏡下手術又は胸腔鏡下手術400件/年以上【許可病床1床当たり1.0件/年以上】
      4. (ニ)
        心臓カテーテル法による手術200件/年以上【許可病床1床当たり0.6件/年以上】
      5. (ホ)
        消化管内視鏡による手術600件/年以上【許可病床1床当たり1.5件/年以上】
      6. (ヘ)
        化学療法の実施1,000件/年以上【許可病床1床当たり3.0件/年以上】
    2. イ.
      以下のいずれかを満たし、かつ、アの(イ)及び(ロ)から(へ)までのうち2つ以上を満たす
      1. (イ)
        異常分娩の件数50件/年以上【許可病床1床当たり0.1件/年以上】
      2. (ロ)
        6歳未満の乳幼児の手術件数40件/年以上【許可病床1床当たり0.1件/年以上】
  • 以下のいずれかを満たす
    1. ア.
      救命救急センター又は高度救命救急センターを有する
    2. イ.
      救急用の自動車又は救急医療用ヘリコプターによる搬送件数が年間2,000件以上、又は許可病床数300床未満の医療機関は許可病床1床当たり年間6.0件以上
  • 精神科の体制として、自院又は他院の精神科医が速やかに診療に対応できる体制を常時整備している。また、精神疾患診療体制加算2の算定件数又は救急搬送患者の入院3日以内における入院精神療法もしくは救命救急入院料の精神疾患診断治療初回加算の算定件数が合計で年間20件以上
  • 救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料のいずれかの届出
  • 感染対策向上加算1の届出
  • 画像診断及び検査を24時間実施できる体制を確保
  • 薬剤師が夜間当直を行うことにより、調剤を24時間実施できる体制を確保
  • 急性期一般入院料1の届出病棟では、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱを用いて評価を行っている
  • 精神科リエゾンチーム加算又は認知症ケア加算1又は2の届出
  • 入院患者の病状の急変の兆候を捉えて対応する体制として「院内迅速対応チーム」の整備等を行っている
  • 外来を縮小する体制を確保している
  • 療養病棟入院基本料又は地域包括ケア病棟入院料・入院医療管理料の届出を行っていない
  • 一般病棟の病床数が、許可病床数から精神病棟の病床を除いた病床数の9割以上である
  • 同一建物内に特養、老健施設、介護医療院又は介護療養型医療施設を設置していない
  • 特定の保険薬局と不動産取引等その他の特別な関係がない
  • 一般病棟の平均在院日数が14日以内
  • 一般病棟の退棟患者(退院を含む)に占める、同一医療機関の一般病棟以外の病棟に転棟したものの割合が1割未満
  • 入退院支援加算1又は2の届出
  • 敷地内禁煙である
  • 日本医療機能評価機構等が行う医療機能評価を受けている(2023年3月末までは経過措置)
  • 総合入院体制加算の届出を行っていない

精神科充実体制加算 30点

精神疾患を有する患者の受け入れ体制等について、別に定められた基準を満たして届け出た医療機関において、急性期充実体制加算にさらに加算できます。

【主な施設基準】

  • 次のいずれも満たす
    1. 精神病床を有している
    2. 精神疾患患者に対し、24時間対応できる体制を確保
    3. 精神病棟入院基本料、精神科救急急性期医療入院料、精神科急性期治療病棟入院料、精神科救急・合併症入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料、地域移行機能強化病棟入院料のいずれかの届出

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

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