診療報酬はやわかりマニュアル

診療報酬

初診料 288点

初診料は、初めて診察が行われた日に算定します。同一医療機関で同一日に他の傷病について別の診療科を初診として受診した場合は、2つ目の診療科に限り144点を算定できます。

今回の改定では、オンライン診療料が廃止され、「情報通信機器を用いた場合」(参照)が新設されたほか、加算として「外来感染対策向上加算」(下記参照)、「電子的保健医療情報活用加算」(下記参照)が新設されています。

機能強化加算 80点

専門医療機関への受診の要否判断などを含めた、初診時におけるかかりつけ医機能を評価した加算です。初診料だけではなく、小児かかりつけ診療料の初診時にも算定可能です。今回の改定では、かかりつけ医機能のいっそうの強化と地域住民などに対する周知を図る観点から、算定要件や施設基準が見直されています。

【主な施設基準】

  • 診療所又は許可病床200床未満の病院である
  • 適切な受診につながるような助言及び指導を行うこと等、質の高い診療機能を有する体制が整備
  • 次の1~5のいずれかを満たす
    1. 地域包括診療加算1又は地域包括診療料1の届出
    2. 以下のいずれも満たす
      1. イ)
        地域包括診療加算2又は地域包括診療料2の届出
      2. ロ)
        直近1年間に次のいずれかを満たしている
        1. 地域包括診療加算2又は地域包括診療料2の算定患者が3人以上
        2. 在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の「1」、在宅患者訪問診療料(Ⅱ)(注1のイに限る)又は往診料の算定患者の合計が3人以上
    3. 小児かかりつけ診療料1又は2の届出
    4. 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の届出(機能強化型の在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院であること)
    5. 在宅時医学総合管理料又は施設入居時等医学総合管理料の届出(機能強化型以外の在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院で以下のいずれかを満たす)
      1. イ)
        機能強化型以外の在宅療養支援診療所で以下のいずれかを満たす
        1. 過去1年間の緊急往診の実績が3件以上
        2. 過去1年間の在宅における看取りの実績が1件以上又は15歳未満の超重症児及び準超重症児に対する在宅医療の実績が1件以上
      2. ロ)
        機能強化型以外の在宅療養支援病院で以下のいずれかを満たす
        1. 過去1年間の緊急往診の実績又は在宅療養支援診療所等からの要請により患者の緊急受入を行った実績の合計が3件以上
        2. 過去1年間の在宅における看取りの実績が1件以上又は15歳未満の超重症児及び準超重症児に対する在宅医療の実績が1件以上
  • 以下のいずれかを行っている常勤医師を配置
    介護保険制度の利用等に関する相談への対応及び要介護認定に係る主治医意見書の作成/警察医として協力/乳幼児の健康診査(市町村を実施主体とする1歳6カ月、3歳児等の乳幼児の健康診査)を実施/定期予防接種を実施/幼稚園の園医、保育所の嘱託医又は小学校、中学校もしくは高等学校の学校医に就任/地域ケア会議に出席/通いの場や講演会等の市町村が行う一般介護予防事業に協力
  • 地域におけるかかりつけ医機能として、必要に応じ、以下の1~5の対応を行っている。また、当該対応を行っていることについて院内の見やすい場所及びホームページ等に掲示している
    1. 患者が受診している他の医療機関及び処方薬を把握し、必要な服薬管理を行うとともに、診療録に記載
    2. 専門医師又は専門医療機関への紹介を行う
    3. 健康診断の結果等の健康管理に係る相談に応じる
    4. 保健・福祉サービスに関する相談に応じる
    5. 診療時間外を含む、緊急時の対応方法等に係る情報提供を行う
    また、医療機能情報提供制度を利用してかかりつけ医機能を有する医療機関等の地域の医療機関を検索できることを、院内の見やすい場所に掲示
  • 上記に基づき掲示している内容を記載した文書を院内の見やすい場所に置き、患者が持ち帰ることができるようにする。また、患者の求めがあった場合には文書を交付する

2022年3月末日時点での届出医療機関は、同年9月末まで地域包括診療加算2、地域包括診療料2、機能強化型以外の在宅療養支援診療所及び在宅療養支援病院の実績基準、常勤医師の基準、かかりつけ医機能の基準を満たしているものとする

外来感染対策向上加算 6点(月1回)

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、地域で外来診療を担う診療所における感染防止対策を評価した新設の加算です。初診料、再診料、一部の医学管理等及び在宅医療の項目などにも加算できます。

専任の院内感染管理者の配置など、組織的な感染防止対策を講じるとともに、地域で感染対策の基幹的役割を担う医療機関(感染対策向上加算1〔参照〕の医療機関)や地域の医師会などとも連携して感染対策に取り組むことが要件となっています。

また、外来感染対策向上加算に上乗せして算定できる加算として、「連携強化加算」と「サーベイランス強化加算」も新設されています。

【主な施設基準】

  • 診療所である
  • 「感染防止対策部門」を設置している
  • 感染防止対策部門内に、専任の医師、看護師又は薬剤師、その他の医療有資格者を院内感染管理者として配置
  • 感染防止対策の業務指針及び院内感染管理者の具体的な業務内容を整備
  • 院内感染管理者により、感染対策のマニュアルを作成し、各部署に配布
  • 院内感染管理者により、職員を対象とした院内感染対策に関する研修が年2回程度行われている
  • 院内感染管理者は、年2回程度、感染対策向上加算1の届出医療機関又は地域の医師会が定期的に主催する院内感染対策に関するカンファレンスに参加している(カンファレンスは、ビデオ通話でも可)。また、感染対策向上加算1の届出医療機関又は地域の医師会が主催する、新興感染症の発生等を想定した訓練に年1回以上参加
  • 院内の抗菌薬の適正使用について、連携する感染対策向上加算1の届出医療機関又は地域の医師会から助言を受ける
  • 院内感染管理者は、週1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行う
  • 院内の見やすい場所に、院内感染防止対策に関する取り組み事項を掲示している
  • 新興感染症の発生時等に、都道府県等の要請を受けて発熱患者の診療等を実施する体制を有し、そのことを自治体のホームページにより公開している
  • 新興感染症の発生時等に、発熱患者の動線を分けることができる体制を有する
  • 「抗微生物薬適正使用の手引き」(厚生労働省健康局結核感染症課)を参考に、抗菌薬の適正な使用の推進に資する取り組みを行っている
  • 新興感染症の発生時や院内アウトブレイクの発生時等の有事の際の対応を想定した地域連携に係る体制について、連携する感染対策向上加算1の届出医療機関等とあらかじめ協議している
  • 感染対策向上加算の届出を行っていない

連携強化加算 3点(月1回)

感染対策向上加算1(参照)を算定する医療機関に対し、感染症の発生状況などを報告している場合に外来感染対策向上加算に上乗せして加算できます。

【主な施設基準】

  • 連携する感染対策向上加算1の届出医療機関に対し、過去1年間に4回以上、感染症の発生状況、抗菌薬の使用状況等について報告を行っている(2023年3月末までの間は、当該基準を満たすものとみなす)

サーベイランス強化加算 1点(月1回)

地域や全国のサーベイランスに参加している場合に外来感染対策向上加算に上乗せして加算できます。

【主な施設基準】

  • 院内感染対策サーベイランス(JANIS)、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)等、地域や全国のサーベイランスに参加している

電子的保健医療情報活用加算
初診料7点(月1回)
再診料・外来診療料4点(月1回)

2022年10月改定にて、電子的保健医療情報活用加算は廃止されました。
詳しくは下記のリンクよりご確認ください。

オンライン資格確認システムの運用が本格的に始まったことを受け、同システムの活用をいっそう促す観点から、今回の改定で新設された加算です。オンライン資格確認システムにより患者の診療情報等を取得した上で診療を行った場合に算定できます。

初診料、再診料、外来診療料のいずれにも加算できますが、初診時と再診時で点数が異なります。また、初診の場合で「患者の診療情報等の取得が困難な場合又は他の医療機関から当該患者の診療情報等の提供を受けた場合等」は、2024年3月末までの間に限り、月1回に限り3点を算定します。

施設基準が設定されていますが、基準を満たしていればよく、届出の必要はありません。

【主な施設基準】

  • 電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を実施
  • 電子資格確認を行う体制を有している
  • オンライン資格確認システムを通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して診療等を実施できる体制を有していることについて、院内の見やすい場所に掲示している

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

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