診療報酬はやわかりマニュアル

診療報酬

手術

手術は、手術料、輸血料、手術医療機器等加算、薬剤料、特定保険医療材料料で構成されています。

例年の改定と同様に、今回の改定でも関係学会の提案や関係審議会等の検討結果を踏まえ、新規技術の保険導入や既存技術の評価の見直しが行われています。

手術料 通則の加算

手術料の通則には様々な加算がありますが、主なものは次のとおりです。今回の改定では、休日・時間外・深夜加算1の見直し、「周術期栄養管理実施加算」の新設などが行われています。

  • 手術時体重1,500g未満児の加算※1 400%加算
  • 新生児加算※1 300%加算
  • 乳幼児加算(3歳未満)※2 100%加算
  • 幼児加算(3歳以上6歳未満)※2 50%加算
  • 頸部郭清術を併せて行った場合※1 片側4,000点、両側6,000点を加算
  • HIV抗体陽性患者の観血的手術加算 4,000点
  • MRSA感染症患者、B型肝炎感染患者(HBs又はHBe抗原陽性者)、C型肝炎感染患者、結核患者へのマスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔、硬膜外麻酔、脊椎麻酔手術加算 1,000点
  • 休日・時間外・深夜加算(処置・手術の時間外等加算を参照)
  • 周術期口腔機能管理後手術加算※1 200点

※1: 対象となる手術が別途規定

注1) 中心静脈注射用植込型カテーテル設置を除く

処置・手術の時間外等加算 (1は

休日・時間外・深夜に緊急の処置又は手術を行った場合は、それぞれ次表のとおり加算できます。

今回の改定では、加算1の施設基準について、労務管理や労働環境改善のためのマネジメントシステムの実践の観点から、手術前日の当直回数に加え、連続当直の回数に関する上限を追加するとともに、「診療科全体における当直回数」から「医師1人当たりの当直回数」に要件が変更されています。

処置・手術の時間外等加算
加算1(1,000点以上の緊急処置・手術) 休日加算、深夜加算 160%加算
時間外加算(入院以外の患者) 80%加算
加算2(150点以上の緊急処置・手術) 休日加算、深夜加算 80%加算
時間外加算(入院以外の患者) 40%加算

※: 処置の場合は休日加算・深夜加算も入院以外の患者が対象

注1) 時間外特例医療機関が入院以外の患者に対して夜間(深夜、休日を除く)に行った場合は、上記にかかわらず「1」は80%加算、「2」は40%加算

注2) 時間外等加算の時間帯の取り扱いは初診料と同様

周術期栄養管理実施加算 270点

周術期における適切な栄養管理を推進する観点から新設された加算です。管理栄養士が医師と連携して術前・術後の栄養管理を適切に実施した場合で、マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔を伴う手術を行った場合に算定できます。特定機能病院入院基本料の入院栄養管理体制加算、特定集中治療室管理料等の早期栄養介入管理加算は別に算定できません。

【主な算定要件】

  • 専任の管理栄養士が医師と連携し、周術期の患者の日々変化する栄養状態を把握した上で、術前・術後の栄養管理を適切に実施した場合に算定する
  • 術前・術後の栄養管理を実施する際には、日本臨床栄養代謝学会の「静脈経腸栄養ガイドライン」又はESPENの「ESPEN Guideline:Clinical nutrition in surgery」等を参考とし、以下の項目を含める。なお、必要に応じて入院前からの取り組みを実施する
    栄養スクリーニング/栄養アセスメント/周術期における栄養管理の計画を作成/栄養管理の実施/モニタリング/再評価及び必要に応じて直接的な指導、計画の見直し
  • 上記を実施する場合には、院内の周術期の栄養管理に精通した医師と連携していることが望ましい

【主な施設基準】

  • 栄養サポートチーム加算の施設基準に規定する研修を修了した医師が配置されていることが望ましい
  • 栄養サポートチーム加算の施設基準に規定する研修を修了し、栄養サポートチームにおいて栄養管理に係る3年以上の経験を有する常勤の管理栄養士が配置
  • 総合入院体制加算又は急性期充実体制加算の届出

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

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