診療報酬はやわかりマニュアル

診療報酬

注射

注射の通則として、次の各加算が設定されています。

【通則の加算】

生物学的製剤注射加算 15点

乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン、組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)、組換え沈降B型肝炎ワクチン(チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞由来)、肺炎球菌ワクチン、髄膜炎菌ワクチン、沈降破傷風トキソイド、ガスえそウマ抗毒素、乾燥ガスえそウマ抗毒素、乾燥ジフテリアウマ抗毒素、乾燥破傷風ウマ抗毒素、乾燥はぶウマ抗毒素、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素、乾燥まむしウマ抗毒素

精密持続点滴注射加算 80点(1日につき)

麻薬注射加算 5点

外来化学療法加算 (1日につき)
外来化学療法加算1
①15歳未満 670点 ②15歳以上 450点
外来化学療法加算2
①15歳未満 640点 ②15歳以上 370点

関節リウマチ等の外来の患者に対して、注射の必要性、副作用、用法・用量、その他の留意点等について文書で説明し同意を得た上で、専用室で化学療法が実施された場合に算定します。

これまでは、「施設基準」「患者の年齢」「抗悪性腫瘍剤の注射とそれ以外の注射」によって点数が区分されていましたが、今回の改定で「外来腫瘍化学療法診療料」(参照)が新設されたことに伴い、悪性腫瘍の患者が対象から外れました。

また、外来化学療法加算の加算として、有効性や安全性等について説明した上で、バイオ後続品を使用した場合の「バイオ後続品導入初期加算」(150点、月1回、初回使用月から3カ月限り)が新設されています。なお、「連携充実加算」は、外来腫瘍化学療法診療料の新設に伴い同診療料の加算として再編され、外来化学療法加算の加算としては廃止されています。

【外来化学療法加算の対象となる注射】

静脈内注射/動脈注射/点滴注射/中心静脈注射/植込型カテーテルによる中心静脈注射

【外来化学療法加算の算定対象】

  • 関節リウマチ、クローン病、ベーチェット病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬又は乾癬性紅皮症の患者に対してインフリキシマブ製剤を投与
  • 関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎又はキャッスルマン病の患者に対してトシリズマブ製剤を投与
  • 関節リウマチの患者に対してアバタセプト製剤を投与
  • 多発性硬化症の患者に対してナタリズマブ製剤を投与
  • 全身性エリテマトーデスの患者に対してベリムマブ製剤を投与

【主な施設基準】

〈外来化学療法加算1〉
  1. 専用のベッド(リクライニングシート等を含む)を有する治療室がある。当該治療室は、外来化学療法の実施中は、外来化学療法その他の点滴注射(輸血を含む)以外の目的で使用することは認められない
  2. 化学療法の経験が5年以上の専任の常勤医師が勤務
  3. 化学療法の経験が5年以上の専任の看護師(非常勤で可)が化学療法を実施している時間帯において常時当該治療室に勤務
  4. 化学療法に係る調剤の経験が5年以上の専任の常勤薬剤師が勤務
  5. 急変時等に患者が入院できる体制が確保(他医療機関との連携でも可)
  6. 化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会を開催している。委員会は化学療法に携わる各診療科の医師の代表者、業務に携わる看護師、薬剤師及び必要に応じてその他の職種から構成され、年1回以上開催
〈外来化学療法加算2〉
  1. 化学療法の経験を有する専任の看護師(非常勤で可)が化学療法を実施している時間帯に常時治療室に勤務
  2. 当該化学療法につき専任の常勤薬剤師が勤務
  3. 外来化学療法加算1の基準の①と⑤を満たす

無菌製剤処理料 (1日につき)
1.悪性腫瘍に用いる注射薬剤
イ.閉鎖式接続器具使用 180点
ロ.イ以外 45点
2.1以外 40点

無菌室、クリーンベンチなどの無菌環境での製剤処理を評価しています。皮内注射、皮下注射、筋肉内注射、動脈注射、抗悪性腫瘍剤局所持続注入、肝動脈塞栓を伴う抗悪性腫瘍剤肝動脈内注入、点滴注射、中心静脈注射、植込型カテーテルによる中心静脈注射の各注射に無菌製剤処理が行われた場合に算定できます。

「1」のイについては、バイアル内外の差圧を調整する機構を有することにより、薬剤の飛散等を防止する閉鎖式接続器具を用いた場合に算定します。

今回の改定では、質の高い無菌製剤処理の適切な評価を推進する観点から、対象施設に「診療所」が追加されました。

「1」の対象患者は、悪性腫瘍に対して用いる薬剤であって細胞毒性を有するもの、「2」の対象患者は次のとおりです。

【無菌製剤処理料2の対象患者】

ア)
動脈注射又は点滴注射が行われる入院中の患者のうち、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、重症複合型免疫不全症等の患者及び後天性免疫不全症候群の病原体に感染し抗体の陽性反応がある患者であって、無菌治療室管理加算もしくはHIV感染者療養環境特別加算を算定する患者又はこれらの患者と同等の状態にある患者
イ)
中心静脈注射又は植込型カテーテルによる中心静脈注射が行われる患者

【主な施設基準】

  • 2名以上の常勤の薬剤師がいること
  • 無菌製剤処理を行うための専用の部屋(内法による測定で5㎡以上)を有している(2014年3月末時点で当該処理料の届出を行っている医療機関は、専用の部屋の増築又は全面的な改築を行うまでの間は、内法の規定を満たしているものとする)
  • 無菌製剤処理を行うための無菌室、クリーンベンチ又は安全キャビネットを備えている

注射実施料

今回の改定では、皮内、皮下及び筋肉内注射、静脈内注射、点滴注射などの点数が引き上げられています。

注射実施料一覧
注射実施料一覧

入院中の患者以外が対象

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

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