地域包括ケア病棟入院料
地域包括ケア入院医療管理料
急性期治療を経過した患者や在宅療養を行っている患者の受け入れ、患者の在宅復帰支援などの機能を有し、地域包括ケアシステムを支える役割を担う病棟を評価しています。
入院料は病棟単位、管理料は病室単位の届出となり、点数は人員配置や実績要件などの施設基準に応じて、それぞれ「1」~「4」に区分されています(点数、主な施設基準等は下表参照)。
今回の改定では、評価体系の見直しや減算規定の強化など、大幅な見直しが実施されています。
【主な見直しの内容】
- 一般病床の場合は、第二次救急医療機関等であることが要件に追加(2022年3月末時点での届出病棟は2023年3月末まで経過措置)
- 入院料2及び4のうち、「許可病床400床以上の病院において、自院からの転棟患者割合が60%以上の場合は所定点数の90%で算定」とする減算規定が、「許可病床200床以上の病院において、自院からの転棟患者割合が60%以上の場合は所定点数の85%で算定」へと変更(200床以上400床未満の病院で、2022年3月末時点での届出病棟は同年9月末まで経過措置)
- 療養病床である場合は、所定点数の95%で算定する(2022年3月末時点での届出病棟は同年9月末まで経過措置)。ただし、所定の要件(下表参照)を満たす場合は所定点数を算定
- 自宅等からの入棟患者割合、自宅等からの緊急患者の受け入れ、在宅医療等に関する実績要件等の見直し(下表参照)
加算としては、看護職員や看護補助者の配置が充実している場合の「看護職員配置加算」(1日につき150点)、「看護補助者配置加算」(1日につき160点)、認知症等の患者が一定割合以上入院する病棟における夜間の看護職員配置を評価した「看護職員夜間配置加算」(1日につき70点)、さらに今回の改定で看護職員・看護補助者に充実した研修を行っている場合等を評価した「看護補助体制充実加算」(1日につき165点)が新設されました。
また、急性期病床からの患者の受け入れを評価した「急性期患者支援病床初期加算」、在宅等からの患者の受け入れを評価した「在宅患者支援病床初期加算」がありますが、それぞれ次表のとおり見直されています。自院内での転棟などは点数が下げられた一方で、他医療機関や介護施設から患者を受け入れた場合の点数は引き上げられています。
急性期患者支援病床初期加算(1日につき、14日限度) | ||
---|---|---|
算定医療機関が許可病床400床以上 |
①
他の医療機関(特別な関係を除く)の一般病棟から転棟
|
150点 |
②
上記以外
|
50点 | |
算定医療機関が許可病床400床未満 |
①
他の医療機関(特別な関係を除く)の一般病棟から転棟
|
250点 |
②
①以外
|
125点 |
在宅患者支援病床初期加算(1日につき、14日限度) | ||
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介護老人保健施設から入院 | 500点 | |
介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅から入院 | 400点 |
区分 | 入院料1 | 入院料2 | 入院料3 | 入院料4 | 入院料5※2 |
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基本点数※1 (1日につき) |
2,129点 (2,115点) |
2,066点 (2,051点) |
1,899点 (1,884点) |
1,841点 (1,827点) |
1,678点 (1,664点) |
医師 | 専任常勤1名以上 | ||||
看護職員 | 13対1以上 (70%以上が看護師) |
15対1以上 (40%以上が看護師) |
|||
看護補助者 | 30対1以上 | ||||
リハビリ専門職 | 専従常勤の理学療法士3名以上、 作業療法士2名以上、 言語聴覚士1名以上 |
専従常勤の理学療法士2名以上、 作業療法士1名以上 |
|||
社会福祉士等 (在宅復帰支援担当) |
専任常勤1名以上 | ― | |||
管理栄養士 | 専任常勤1名以上 | 専任常勤1名以上の配置が望ましい | |||
第三者評価 | 受けていることが望ましい | ― | 受けていることが望ましい | ― | ― |
リハビリ実績指数等の院内掲示等による公開 | ○ | ||||
データ提出加算の届出 | ○ | ○ (一部経過措置あり) |
|||
休日リハビリテーション | ○ | ― | |||
新規入院患者のうち、重症患者の割合※3 | 40%以上 | 30%以上 | ― | ||
入院時に重症だった患者の退院時の日常生活機能評価(〔 〕内は FIM 総得点) | 30%以上が 4点〔16点〕以上改善 |
30%以上が 3点〔12点〕以上改善 |
― | ||
在宅復帰率 | 70%以上 | ― | |||
リハビリテーション 実績指数 |
40以上 | ― | 35以上 | ― | ― |
※1: ( )内の点数は生活療養を受ける場合
※2: 「5」については、算定開始日から2年間に限り算定できる(なお、2022年3月末時点での「5又は6」の届出病棟は、2023年3月末まで改定前の「5又は6」を算定し、その後1年間、新入院料5を算定できる)
※3: 2022年3月末現在での届出病棟は、同年9月末までは経過措置
区分 | 入院料1 | 管理料1 | 入院料2 | 管理料2 | 入院料3 | 管理料3 | 入院料4 | 管理料4 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
基本点数※1 (1日につき) |
2,809点 (2,794点) |
2,620点 (2,605点) |
2,285点 (2,270点) |
2,076点 (2,060点) |
||||
看護職員 | 13対1以上(70%以上が看護師) | |||||||
リハビリ専門職 | 病棟又は病室を有する病棟に専従で常勤の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を1名以上配置 | |||||||
リハビリの実施 | リハビリを提供する患者については1日平均2単位以上提供している | |||||||
意思決定支援の指針 | 適切な意思決定支援に係る指針を定めていること | |||||||
救急医療の実施※2 | 一般病床で届出の場合は、第二次救急医療機関又は救急病院等を定める省令に基づく認定救急病院であること (ただし、許可病床200床未満の場合は救急外来を設置又は24時間の救急医療提供で要件を満たす) |
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届出単位 | 病棟 | 病室 | 病棟 | 病室 | 病棟 | 病室 | 病棟 | 病室 |
許可病床200床未満 | ○ | ― | ○ | ○ | ― | ○ | ||
病室面積 | 6.4㎡以上/床 | ― | ||||||
重症患者割合※3 | 重症度、医療・看護必要度Ⅰ:12%以上 又は 重症度、医療・看護必要度Ⅱ:8%以上 | |||||||
自院の一般病棟から 転棟した患者割合※3 |
― | 60%未満 (許可病床数200床以上の場合)(満たさない場合は15%減算) |
― | ― | 60%未満 (許可病床数200床以上の場合)(満たさない場合は15%減算) |
― | ||
自宅等から入棟した 患者割合※3 |
20%以上 (管理料の場合、10床未満は3カ月で8人以上) |
いずれか1つ以上(満たさない場合は10%減算)(「在宅医療等の実績」は6つのうち1つ以上満たせばよい) | 20%以上 (管理料の場合、10床未満は3カ月で8人以上) |
いずれか1つ以上(満たさない場合は10%減算)(「在宅医療等の実績」は6つのうち1つ以上満たせばよい) | ||||
自宅等からの緊急患者の受け入れ※3 | 3カ月で9人以上 | 3カ月で9人以上 | ||||||
在宅医療等の実績※3、4 | 2つ以上 | 2つ以上 | ||||||
在宅復帰率※3 | 72.5%以上 | 70%以上(満たさない場合は10%減算) | ||||||
入退院支援部門等 |
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※1: ( )内の点数は生活療養を受ける場合
※2: 2022年3月末時点での届出病棟は2023年3月末まで経過措置
※3: 2022年3月末時点での届出病棟は同年9月末まで経過措置
※4:
在宅医療等の実績項目は次の通り
①在宅患者訪問診療料(Ⅰ)及び(Ⅱ)の算定回数が直近3カ月で30回以上、②在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料又は精神科訪問看護・指導料(Ⅰ)の算定回数が直近3カ月で60回以上、③同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する訪問看護ステーションにおいて訪問看護基本療養費又は精神科訪問看護基本療養費の算定回数が直近3カ月で300回以上、④在宅患者訪問リハビリ指導管理料の算定回数が直近3カ月で30回以上、⑤同一敷地内又は隣接する敷地内に位置する事業所が訪問介護、訪問看護、訪問リハビリ、介護予防訪問看護又は介護予防訪問リハビリの提供実績を有している、⑥退院時共同指導料2及び外来在宅共同指導料1の算定回数が直近3カ月で6回以上
注) 療養病床については所定点数の95%で算定する(2022年3月末時点での届出医療機関は同年9月末まで経過措置)。ただし、救急告示あり/自宅等から入棟した患者割合が60%以上/自宅等からの緊急患者受け入れが3カ月で30人以上のいずれかを満たす場合は所定点数で算定