医療機関別係数
機能評価係数Ⅱ

機能評価係数Ⅱ

DPCへの参加による医療提供体制の効率改善等に向けた取り組みを評価した係数です。2024年度改定で保険診療係数が廃止され、救急医療係数は救急補正係数として位置付けが変更された(参照)ことから、係数は下図の4つになりました。

係数は、2022年10月から2023年9月までの実績を用いて医療機関ごとに算出される指数に基づいた医療機関群ごとの評価となっています。2024年度改定では、効率性指数の評価手法と地域医療指数の評価内容が見直されました。

なお、従来、保険診療係数で評価されていた適切なDPCデータ作成に係る3項目は対象病院の基準に追加され(参照)、病院情報の公表については、地域医療係数(体制評価指数)で評価されています。

機能評価係数

【機能評価係数Ⅱ】

1.効率性指数
考え方 在院日数短縮の努力を評価
評価指標
〔全DPC対象病院の患者構成が当該病院と同じと仮定した場合の平均在院日数〕/〔当該病院の平均在院日数〕
計算対象
  • 当該病院において、12症例(1症例/月)以上ある診断群分類
  • 包括評価対象の診断群分類
2.複雑性指数
考え方 一入院当たり医療資源投入の観点から見た患者構成への評価
評価指標
〔当該病院の包括範囲出来高点数(一入院当たり)を、包括対象の診断群分類ごとに全病院の平均包括範囲出来高点数に置き換えた点数〕/〔全病院の平均一入院当たり包括点数〕
計算対象
  • 当該病院において、12症例(1症例/月)以上ある診断群分類
  • 包括評価対象の診断群分類
3.カバー率指数
考え方 さまざまな疾患に対応できる総合的な体制を評価
評価指標
〔当該病院で一定症例数以上算定しているDPC数〕/〔全DPC数〕
計算対象
  • 当該病院において、12症例(1症例/月)以上ある診断群分類
  • 全て(包括評価対象・対象外の両方含む)の支払い分類
4.地域医療指数
考え方 地域医療への貢献を評価
体制評価指数 5疾病6事業等を含む医療提供体制における役割や実績を評価(下表参照)
〔計12項目(大学病院本院群は13項目)、1項目最大1P、上限はDPC標準病院群8P、大学病院本院群11P、DPC特定病院群10P〕
定量評価指数
〔当該病院の所属地域の担当患者数〕/〔当該病院の所属地域の発生患者数〕を、15歳未満と15歳以上に分けてそれぞれ同配分で評価
*評価対象:
DPC標準病院群は2次医療圏、大学病院本院群・DPC特定病院群は3次医療圏のDPC対象病院の入院患者

※評価シェアは「体制評価指数:定量評価指数=7:5」

〈体制評価指数〉
評価項目 概要 DPC標準病院群 大学病院本院群 DPC特定病院群
1 がん がんの地域連携体制への評価(0.5P) 退院患者の〔がん治療連携計画策定料の算定患者数〕/〔医療資源病名が悪性腫瘍の関連病名の患者数〕
がん診療連携拠点病院等の体制への評価(0.5P)
下記のいずれかの指定(0.5P)
  • がん診療連携拠点病院
  • 小児がん拠点病院
  • 地域がん診療病院
  • 特定領域がん診療連携拠点病院
  • 都道府県がん診療連携拠点病院又は小児がん拠点病院の指定(0.5P)
  • 地域がん診療連携拠点病院の指定(0.25P)
2 脳卒中 脳卒中の急性期の
診療実績への評価
下記のいずれかの最大値がポイント
  • t-PA療法の実施(0.25P)
  • 超急性期脳卒中加算の算定実績又は血管内治療の実施実績(0.5P)
  • 超急性期脳卒中加算の算定実績及び血管内治療の実施実績(1P)
    【血管内治療の実施】
    入院2日目までに以下のいずれかの点数を算定した症例の診療実績
    経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術(頭蓋内脳血管)/経皮的選択的脳血栓・塞栓
    溶解術〔頸部脳血管(内頸動脈、椎骨動脈)〕/経皮的脳血栓回収術
3 心筋梗塞等の
心血管疾患
緊急時の心筋梗塞の
PCIや外科治療の
実績(0.5P)
下記全てを満たす症例の診療実績
  • 医療資源を最も投入した傷病名が「急性心筋梗塞」
  • 予定外の入院で、手術に係る時間外対応加算(特例含む)・休日加算・深夜加算を算定
  • 入院2日目までに以下のいずれかの点数を算定
    経皮的冠動脈形成術/経皮的冠動脈粥腫切除術/経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)/経皮的冠動脈ステント留置術/冠動脈内血栓溶解療法/経皮的冠動脈血栓吸引術/冠動脈形成術(血栓内膜摘除)/冠動脈、大動脈バイパス移植術/冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しないもの)
急性大動脈解離の
手術実績(0.5P)
入院中に下記のいずれかの点数を算定した症例の診療実績
大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(上行大動脈)/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(弓部大動脈)/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(下行大動脈)/大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む)(胸腹部大動脈)/オープン型ステントグラフト内挿術(弓部大動脈)/オープン型ステントグラフト内挿術(上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術)/オープン型ステントグラフト内挿術(下行大動脈)/ステントグラフト内挿術(血管損傷以外の胸部大動脈)
4 精神疾患 精神科
入院医療への評価
  • 精神科身体合併症管理加算の算定実績(0.5P)
  • 精神科救急・合併症入院料の1件以上の算定実績(1P)
5 災害 災害時における
医療への体制を評価
  • 災害拠点病院の指定(0.5P)
  • DMATの指定(0.25P)
  • EMISへの参加(0.25P)
  • BCPの策定(災害拠点病院を除く)(0.25P)
6 周産期 周産期医療への
体制を評価
下記のいずれかの指定(1P)
  • 総合周産期母子医療センター
  • 地域周産期母子医療センター
  • 総合周産期母子医療センターの指定(1P)
  • 地域周産期母子医療センターの指定(0.5P)
7 へき地 へき地医療への
体制を評価
  • 下記のいずれか(1P)
    1. へき地医療拠点病院の指定かつ巡回診療、医師派遣、代診医派遣を合算で年12回以上実施
    2. 社会医療法人認可におけるへき地医療の要件を満たしている
  • へき地医療拠点病院の指定(巡回診療、医師派遣、代診医派遣を合算で年12回以上実施している場合を除く)(0.5P)
8 救急 医療計画上の体制及び
救急医療の実績を評価
2次救急医療機関で下記のいずれか(0.1P)
  • 病院群輪番制への参加施設
  • 共同利用型の施設
  • 救命救急センター
  • 救命救急センター(0.5P)
  • 2次救急医療機関で病院群輪番制への参加施設、共同利用型の施設(0.1P)
上記体制を前提とし、救急車で来院し、入院となった患者数(最大0.9P) 上記体制を前提とし、救急車で来院し、入院となった患者数(救急医療入院に限る)(最大0.5P)
9 感染症 新興感染症等に係る
医療への体制を評価
  • 新型インフルエンザ患者入院医療機関(0.25P)(2024年度で終了)
  • 新型コロナウイルス感染症に係る病床を確保(0.25P)(2024年度で終了)
  • 上記のいずれも満たしている(0.75P)(2024年度で終了)
  • G-MISへの参加(日次調査への年間の参加割合を線形で評価)(最大0.25P)(2024年度で終了)
  • 第一種協定指定医療機関(0.5P)(2025年度以降の評価)
  • 流行初期医療確保措置の対象となる協定の締結(入院に限る)(0.5P)(2025年度以降の評価)
10 治験等の実施 治験や臨床研究等の
実績を評価
右記のいずれか1項目を満たしている(1P)
治験等の実施
  • 過去3カ年において、主導的に実施した医師主導治験が8件以上、又は主導的に実施した医師主導治験が4件以上かつ主導的に実施した臨床研究実績が40件以上(1P)
  • 20例以上の治験の実施、10例以上の先進医療の実施又は10例以上の患者申出療養の実施(0.5P)
    ※協力施設としての治験を含む
11 臓器提供の実施 法的脳死判定後の臓器
提供に係る実績を評価
過去3カ年において、法的脳死判定後の臓器提供の実績が1件以上(1P)
  • 過去3カ年において、法的脳死判定後の臓器提供の実績が2件以上(1P)
  • 過去3カ年において、法的脳死判定後の臓器提供の実績が1件以上(0.5P)
12 医療の質向上に向けた取り組み 医療の質に係るデータの提出や病院情報等の公開を評価
  • 病院情報の自院のホームページでの公表(0.25P)
    ※2024年度は1P
  • 医療の質指標に係るDPCデータの提出(0.5P)(2025年度以降の評価)
  • 医療の質指標の自院のホームページでの公表(0.25P)(2025年度以降の評価)
13 医師少数地域への医師派遣機能 医師派遣による地域医療
体制維持への貢献を評価
「医師少数区域」へ常勤医師として半年以上派遣している医師数(自院に3年以上在籍している者に限る)(1P)
医科点数表では、特定集中治療室管理料等を算定する患者には急性期看護補助体制加算等は算定できないが、DPC対象患者が特定集中治療室管理料等を算定する病室に入院した場合、急性期看護補助体制加算等に係る機能評価係数Ⅰは医療機関別係数に合算できるか?

合算できます。
機能評価係数Ⅰは、人員配置等の医療機関の体制を評価する係数であるため、病院が施設基準を満たすこと等により算定できるのであれば、全DPC対象患者に係る診療報酬請求の際に医療機関別係数に合算できます。

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