DPC包括評価の対象患者

DPC対象患者

DPCの包括評価の対象となるのは、対象病院の一般病棟の入院患者のうち、包括点数が設定されたDPCコード(診断群分類番号)に該当する患者で、歯科や精神病棟、療養病棟等の入院患者は対象外です。また、一般病棟の入院患者でも下表の患者は対象外となっています。

新規保険適用等の高額薬剤の取り扱い

新たに保険適用される新薬、効能効果・用法用量が一部変更となる薬剤、事前評価済公知申請の薬剤のうち、右記の基準に該当する高額な薬剤を使用した患者は、十分な使用実績データが収集され、包括評価が可能となるまでの期間はDPC対象外となり、全ての診療行為を医科点数表に基づいて出来高で算定します。ただし、包括評価の対象外の判定は、14桁の診断群分類番号ごとに行われます。

判定時期は、新薬の薬価収載に合わせて原則年4回となっています(投与患者がDPC対象外となる薬剤は参考資料①に掲載)。

【高額薬剤判定の基準】

前年度に使用実績のない薬剤等について、当該薬剤等の標準的な使用における薬剤費(併用薬含む)の見込み額が、使用していない症例の薬剤費の84パーセンタイル値を超えている場合

【DPC対象外となる患者】

  1. (1)
    入院後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児
  2. (2)
    評価療養又は患者申出療養を受ける患者
  3. (3)
    下記の臓器移植術を受ける患者
    • K014
      皮膚移植術(生体・培養)
    • K014-2
      皮膚移植術(死体)
    • K514-4
      同種死体肺移植術
    • K514-6
      生体部分肺移植術
    • K605-2
      同種心移植術
    • K605-4
      同種心肺移植術
    • K697-5
      生体部分肝移植術
    • K697-7
      同種死体肝移植術
    • K709-3
      同種死体膵移植術
    • K709-5
      同種死体膵腎移植術
    • K709-6
      同種死体膵島移植術
    • K716-4
      生体部分小腸移植術
    • K716-6
      同種死体小腸移植術
    • K780
      同種死体腎移植術
    • K780-2
      生体腎移植術
    • K922
      造血幹細胞移植
  4. (4)
    下記の点数を算定する患者
    • A106
      障害者施設等入院基本料
    • A304
      地域包括医療病棟入院料
    • A306
      特殊疾患入院医療管理料
    • A308
      回復期リハビリテーション病棟入院料
    • A308-3
      地域包括ケア病棟入院料
      下記を算定する直前に診断群分類点数表で算定していた患者を除く
      1. 地域包括ケア病棟入院料1〜4
      2. 地域包括ケア入院医療管理料1〜4
    • A309
      特殊疾患病棟入院料
    • A310
      緩和ケア病棟入院料
    • A319
      特定機能病院リハビリテーション病棟入院料
    • A400
      短期滞在手術等基本料(1のみ)
  5. (5)
    厚生労働大臣が別に定める者
    1. 下記の手術等を受ける患者
      • D412-3
        経頸静脈的肝生検
      • K013-3
        自家皮膚非培養細胞移植術
      • K022-3
        慢性膿皮症手術
      • K053-2
        骨悪性腫瘍、類骨骨腫及び四肢軟部腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
      • K055-4
        大腿骨遠位骨切り術
      • K069-4
        関節鏡下半月板制動術
      • K076-3
        関節鏡下肩関節授動術(関節鏡下肩腱板断裂手術を伴うもの)
      • K077-2
        肩甲骨烏口突起移行術
      • K080-5
        関節鏡下肩関節唇形成術
        3関節鏡下肩甲骨烏口突起移行術を伴うもの
      • K082-7
        人工股関節置換術(手術支援装置を用いるもの)
      • K147-3
        緊急穿頭血腫除去術
      • K176-2
        脳硬膜血管結紮術
      • K196-6
        末梢神経ラジオ波焼灼療法(一連として)
      • K259-3
        ヒト羊膜基質使用自家培養口腔粘膜上皮細胞移植術
      • K271
        毛様体光凝固術 1眼内内視鏡を用いるもの
      • K343-2
        経鼻内視鏡下鼻副鼻腔悪性腫瘍手術 2その他のもの
      • K347-8
        内視鏡下鼻中隔手術Ⅲ型(前彎矯正術)
      • K347-9
        内視鏡下鼻中隔手術Ⅳ型(外鼻形成術)
      • K476-5
        乳腺悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
      • K508-4
        気管支バルブ留置術
      • K514-2
        胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 5肺全摘
      • K514-7
        肺悪性腫瘍及び胸腔内軟部腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
      • K529-5
        喉頭温存頸部食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの)
      • K544
        心腫瘍摘出術、心腔内粘液腫摘出術 1単独のもの
        イ 胸腔鏡下によるもの
      • K548
        経皮的冠動脈形成術(特殊カテーテルによるもの)3アテローム
        切除アブレーション式血管形成術用カテーテルによるもの
      • K573
        心房中隔欠損作成術 1経皮的心房中隔欠損作成術
        ロ スタティック法
      • K574-4
        胸腔鏡下心房中隔欠損閉鎖術
      • K615
        血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)
        3門脈塞栓術(開腹によるもの)
      • K635-4
        腹腔鏡下連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術
      • K645-2
        腹腔鏡下骨盤内臓全摘術
      • K645-3
        骨盤内悪性腫瘍及び腹腔内軟部腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
      • K656-2
        腹腔鏡下胃縮小術
        2スリーブ状切除によるもの(バイパス術を併施するもの)
      • K700-4
        腹腔鏡下膵中央切除術
      • K773-7
        腎悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)
      • K798
        膀胱結石、異物摘出術 3レーザーによるもの
      • K809-4
        腹腔鏡下膀胱尿管逆流手術(膀胱外アプローチ)
      • K821-4
        尿道狭窄グラフト再建術
      • K830-3
        精巣温存手術
      • K836-3
        腹腔鏡下停留精巣内精巣動静脈結紮術
      • K841-7
        経尿道的前立腺水蒸気治療
      • K841-8
        経尿道的前立腺切除術(高圧水噴射システムを用いるもの)
      • K872-3
        子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術
        2組織切除回収システム利用によるもの
    2. 高額薬剤等の投与患者(参照
    3. その他の感染症(真菌を除く)(180030xxxxxx0x又は180030xxxxxx1x)に該当する患者で、ICD-10コードのU07.1又はU07.2(コロナウイルス感染症2019)を選択する者
  6. (6)
    下記のいずれかに該当する病院の入院患者
    1. 月平均入院患者数が、許可病床数の105%以上
    2. 医師又は歯科医師の員数が医療法標準の70%以下

新規保険適用の手術等が定められるため、(5)の①の項目は改定ごとに見直されます。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

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