DPCコードとツリー図

14桁のDPCコードは、傷病名(上6桁コード)と、さまざまな医療行為等に基づいて患者ごとに決定します。このDPCコードを決定する際に用いるのが、『ツリー図』です。ツリー図は下図のような仕組みになっており、手術の「あり」「なし」など、分岐の項目を選択していくことによって、最終的に右端の14桁のDPCコードを決定します。実際の算定の際には、ツリー図以外に『診断群分類点数表』(参照)や『定義テーブル』も用います。

2024年度のDPCコード総数は3,248ありますが、実線で囲まれた2,477のコード(診断群分類点数表に定める診断群分類番号)が包括評価に該当し、残りの点線で囲まれたコードは、医科点数表に基づいて出来高で算定します(医科点数表算定コード)。医科点数表算定コードは、退院患者データのバラつきが大き過ぎるなど、包括評価に適さないものです。

なお、診断群分類の精緻化を図りつつ支払い分類数の増加を防ぐ目的から、脳梗塞と肺炎には、重症度を考慮した評価手法であるCCPマトリックスが導入されています。CCPマトリックスでは複数の診断群分類で同一の点数が設定されるため、包括評価は2,477分類ですが、支払い分類数は2,348となっています。

DPCコードの上2桁のMDCコードとは?

主要診断群(Major Diagnostic Category)の略で、次の18群に分類されています。

  1. MDC01:
    神経系疾患
  2. MDC02:
    眼科系疾患
  3. MDC03:
    耳鼻咽喉科系疾患
  4. MDC04:
    呼吸器系疾患
  5. MDC05:
    循環器系疾患
  6. MDC06:
    消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患
  7. MDC07:
    筋骨格系疾患
  8. MDC08:
    皮膚・皮下組織の疾患
  9. MDC09:
    乳房の疾患
  10. MDC10:
    内分泌・栄養・代謝に関する疾患
  11. MDC11:
    腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患
  12. MDC12:
    女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩
  13. MDC13:
    血液・造血器・免疫臓器の疾患
  14. MDC14:
    新生児疾患、先天性奇形
  15. MDC15:
    小児疾患
  16. MDC16:
    外傷・熱傷・中毒
  17. MDC17:
    精神疾患
  18. MDC18:
    その他
ツリー図概略

【関節リウマチのツリー図】

関節リウマチのツリー図
定義テーブル等で使用されている用語の定義は?

主な用語の定義は、下表のようになっています。

用語 定義
化学療法
悪性腫瘍に対する抗腫瘍用薬、ホルモン療法・免疫療法等の抗腫瘍効果を有する薬剤の使用
  • 入院中の処方に限り、手術中の使用、外来・退院時処方は含まない
  • 抗生剤のみの使用、G-CSF製剤、鎮吐剤等の副作用に係る薬剤のみの使用等は含まない
動注化学療法 医科点数表第2章第6部注射の「G002動脈注射」での化学療法の実施

メトトレキサート大量療法
(骨肉腫に対するもの)

骨肉腫に対して、メトトレキサート5g以上を投与する化学療法

メトトレキサート大量療法
(非ホジキンリンパ腫に対するもの)

非ホジキンリンパ腫に対して、メトトレキサート1g以上を投与する化学療法
電気生理学的検査 医科点数表第2章第3部検査のうち、材料価格基準別表Ⅱ区分114(2)の医療材料を、「050070頻脈性不整脈」では3本以上、「050210徐脈性不整脈」では2本以上使用して実施した電気生理学的検査
手術 医科点数表第2章第10部手術(手術等管理料、輸血管理料除く)
全身麻酔
医科点数表第2章第11部麻酔のうち、下記のもの
  1. L007開放点滴式全身麻酔
  2. L008マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔
神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)神経根ブロック、神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)腰部硬膜外ブロック、神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素)仙骨部硬膜外ブロック
医科点数表第2章第11部麻酔の「L100神経ブロック(局所麻酔剤又はボツリヌス毒素使用)」のうち、下記のもの
  1. 「1」の神経根ブロック
  2. 「2」の腰部硬膜外ブロック
  3. 「5」の仙骨部硬膜外ブロック
放射線療法 医科点数表第2章第12部放射線治療(血液照射除く)

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