A.
肝機能障害患者への投与について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
薬物の代謝が遅延し、作用が増強するおそれがある。
<参考>
健康成人8例および肝硬変患者13例にビソプロロール10mg※を1日1回7日間経口投与して薬物動態を検討した外国データでは、健康成人の半減期が平均10.0時間であったのに対し、肝硬変患者の半減期は平均13.5時間であり、なかには半減期が21.1時間に延長した症例もありました1)。
国内での承認用量は10mg/日よりも低く設定されていますが、重篤な肝機能障害のある患者では薬物の代謝・排泄が遅延するおそれがあるため、慎重に投与して下さい。
※メインテートの用法及び用量は以下の通りです。
6. 用法及び用量
〈本態性高血圧症(軽症~中等症)、狭心症、心室性期外収縮〉
通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、5mgを1日1回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈虚血性心疾患又は拡張型心筋症に基づく慢性心不全〉
通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回0.625mg経口投与から開始する。1日1回0.625mgの用量で2週間以上経口投与し、忍容性がある場合には、1日1回1.25mgに増量する。その後忍容性がある場合には、4週間以上の間隔で忍容性をみながら段階的に増量し、忍容性がない場合は減量する。用量の増減は1回投与量を0.625、1.25、2.5、3.75又は5mgとして必ず段階的に行い、いずれの用量においても、1日1回経口投与とする。通常、維持量として1日1回1.25~5mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により、開始用量は更に低用量に、増量幅は更に小さくしてもよい。また、患者の本剤に対する反応性により、維持量は適宜増減するが、最高投与量は1日1回5mgを超えないこと。
〈頻脈性心房細動〉
通常、成人にはビソプロロールフマル酸塩として、1日1回2.5mg経口投与から開始し、効果が不十分な場合には1日1回5mgに増量する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日1回5mgを超えないこと。
キーワード:肝障害
参考資料: |
1) |
Kirch W, et al.:CLIN PHARMACOKINET/13/2/00110~00117/1987 |
[管理番号:11063]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年11月 更新 ]