A.
デパスの投与中止について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.1.1 依存性(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
確立された方法はありませんが、文献で紹介されているベンゾジアゼピン系睡眠薬の中止方法の例(下記)1)2)を参考に、患者の状態により適宜調節しながら中止してください。
【漸減法】
用量を2週又は4週おきに、3/4、1/2次いで1/4に減量し、減量により再び症状が出現した場合は、その前の用量に戻し、1ヵ月程後に再び薬剤の減量・中止を試みる。
【隔日法】
服用しない日を設け、1~2ヵ月ずつかけながら服用しない日を1日、2日、3日と徐々に増やして中止する。
【漸減法と隔日法の組合せ】
まず漸減法で用量を減量しておいてから、隔日法により中止する。
【置換法】
作用時間の短い薬剤で漸減法がうまくいかない場合に、いったん作用時間の長い薬剤に置き換え、その後に漸減法あるいは隔日法を行う。
※ベンゾジアゼピン系薬剤は、消失半減期により「超短時間作用型」「短時間作用型」「中間作用型」「長時間作用型」に分類され、消失半減期が6時間のデパスは「短時間作用型」とされています1)2)。
漸減法は作用時間が短い薬剤、隔日法は作用時間が長い薬剤で主に試みられ、漸減法と隔日法の組合せは作用時間の長短に関わらず行われます1)2)。
参考資料: |
1) |
戸澤 亜紀 他:新薬と臨牀/55/8/01226~01236/2006 |
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2) |
内村 直尚:臨床精神医学/39/5/00537~00542/2010 |
[管理番号:16366]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2023年11月 更新 ]