A.
肝機能障害患者への投与について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.3 肝機能障害患者
血中濃度測定等の結果により減量すること。テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある。
テオフィリンの代謝にはP-450の分子種のうちCYP1A2が主たる分子種として、CYP3A4やCYP2E1がマイナーな分子種として関与することが示唆されており1)、約85~90%が肝臓で代謝されます2)。
テオフィリンクリアランスは、肝臓での代謝速度の違いに由来した個人差が大きいとされ、肝臓の薬物代謝酵素系に変化をもたらすような因子(年齢、合併疾患、喫煙、食事内容あるいは併用薬剤など)がその変動要因として知られています3)。
テオフィリンの平均的臨床薬物動態値(多くの文献からまとめたもの)は、健常人非喫煙者および肝硬変において、Vd(分布容積:L/kg)が0.47および0.56、t1/2(半減期:hr)が8.2および28.8、CL(クリアランス:L/kg/hr)が0.040および0.019とされています3)。
これらの平均的臨床薬物動態値を用いて算出された投与量の目安(補正係数)は、18~60歳の喘息患者を1とすると、肝硬変では0.49とされています3)。
参考資料: |
1) |
島田 典招 他:薬物動態/10/3/00413~00419/1995 |
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2) |
川勝 一雄 他:Therapeutic Research/8/1/00033~00083/1988 |
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3) |
洞井 由紀夫 他:PHARM MED/6/10/00055~00061/1988 |
[管理番号:5949]
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[ 2024年11月 更新 ]