レミケードQ&A

Q.B型肝炎ウイルスキャリア患者へのレミケードの投与は?

A.
肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。レミケードを含む抗TNF製剤が投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。なお、これらの報告の多くは、他の免疫抑制作用をもつ薬剤を併用投与した患者に起きています[1]。 

B型肝炎ウイルスキャリア患者への投与にあたっては、日本肝臓学会の肝臓専門医にご相談いただき、日本肝臓学会「B型肝炎治療ガイドライン」(2022年6月)[2]に沿ったHBV-DNAの定量や核酸アナログ製剤の投与などの対処をお願いします。

<参考>
■日本リウマチ学会の「関節リウマチ(RA)に対するTNF阻害薬使用の手引き」では、明らかな活動性を有している感染症を保有する患者においては、その種類に関係なく感染症の治療を優先し、感染症の治癒を確認後にTNF阻害薬の投与を行うこととされています[3]。また、日本皮膚科学会の「乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス」では、B型肝炎ウイルス感染者に対しては、TNF阻害薬治療に伴いウイルスの活性化等が報告されていることから、生物学的製剤の使用は控えるべきとされています[4]。

■関節リウマチに対してレミケードを投与する際にはメトトレキサート製剤を併用することとされていますが[1]、メトトレキサート製剤の電子化された添付文書には、以下の記載があります。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
慢性肝疾患のある患者
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.6 B型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者
B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。また本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている。
参考資料: [1] 電子化された添付文書
[2] 日本肝臓学会:B型肝炎治療ガイドライン(第4版)(2022年6月)
[3] 日本リウマチ学会:関節リウマチ(RA)に対するTNF阻害薬使用の手引き(2024年7月7日改訂版) 
[4] 日本皮膚科学会:乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2022年版)

[管理番号:11148]

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[ 2025年11月 更新 ]

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