A.
肝機能障害患者への投与について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.2 重篤な肝機能障害のある患者
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。スリガラス様封入体の発現により悪影響を及ぼすおそれがある。
9.3.2 肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
スリガラス様封入体の発現により悪影響を及ぼすおそれがある。
シアナマイドの長期投与により肝細胞が変性をきたし、スリガラス様封入体が門脈域炎症部位や線維化部位の周囲に発現し、肝臓の炎症・線維化に関与するとされています1)。
シアナマイドによる治療歴がありアルコール依存症を再発(飲酒)した患者を対象に、肝臓における組織学的変化について報告した文献2)では、シアナマイドによる組織学的変化は、肝硬変のような構造変化に必ず至るわけではないものの、進行性アルコール性肝障害の肝硬変への進展を促進させる可能性は否定できない、とされています。そのため、重篤な肝障害がある患者へのシアナマイドの使用は不適切であり、再発を繰り返すアルコール依存症患者へのシアナマイド投与は短期間に限るべきと考えられる、と記載されています。
参考資料: |
1) |
Suzuki Y, et al.:Alcohol. Clin. Exp. Res./24/4/100S-105S/2000 |
|
2) |
Yokoyama A, et al.:ALCOHOL CLIN EXP RES/019/0005/01307~01311/1995 |
[管理番号:429]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年4月 更新 ]