A.
高齢者への投与について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多く、脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。
カナグルによる尿中グルコース排泄量増加が浸透圧利尿に伴う体液量減少を引き起こす可能性があるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分行ってください。高齢者のように特に体液量減少を起こしやすい患者においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意してください[1]。
【高齢者における薬物動態・安全性】
●2型糖尿病患者を対象とした用量設定試験から、高齢者(65歳以上、71~73例)と非高齢者(65歳未満、217~225例)において用量補正した血漿中カナグリフロジン濃度のトラフ値及び投与12週後のAUC0-2.17hを比較した結果、高齢者のトラフ濃度の平均値は非高齢者よりも約10~30%高い値を示しました[2]。
●65歳以上の高齢2型糖尿病患者を対象とした特定使用成績調査(安全性解析対象症例数:1,375例)における副作用発現は125例(9.09%)で、主な副作用は、脱水10例(0.73%)、便秘10例(0.73%)、口渇9例(0.65%)、浮動性めまい7例(0.51%)、頻尿7例(0.51%)でした[3]。
参考資料: |
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インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 5.重要な基本的注意とその理由 |
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[2] |
第Ⅱ相用量設定試験(社内資料) |
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[3] |
Goda M, et al.: CURRENT MEDICAL RESEARCH AND OPINION/34/2/00319~00327/2018 |
[管理番号:10723]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2025年8月 更新 ]