A.
タナトリルによる咳の副作用発現頻度は、以下の通りです1)。
・開発時の臨床試験(糖尿病性腎症の効能追加時):23/858例(2.68%)
・使用成績調査(高血圧症、腎実質性高血圧症):275/5,774例(4.76%)
タナトリルによる咳の発現時期について、明確なデータはありません。
ご参考までに、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤による空咳の発現時期は投与開始数日後から数ヵ月後までさまざまですが、通常2~4週間で出現することが多く、投与中止により1週間以内に消失するとされています2)。
また、ACE阻害剤による治療中に空咳が2ヵ月間以上継続した62例を継続観察した海外の報告では、ACE阻害剤以外に空咳の原因がなくACE阻害剤の投与を継続した39例のうち、14例は空咳が持続、17例は2~8ヵ月間後に空咳が自然消退、4例は間欠性の空咳になり、4例は空咳が顕著に減弱しました3)。
キーワード:咳嗽
参考資料: |
1) |
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 8.副作用 |
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2) |
高杉 益充:新・薬剤副作用軽減化の工夫(1995年) p.169~172 |
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3) |
Reisin L, et al.:AM J CARDIOL/70/3/00398~00399/1992 |
[管理番号:6151]
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