A.
透析患者への投与について、電子化された添付文書(電子添文)には、以下の記載があります。
9.2 腎機能障害患者
9.2.2 血液透析中の患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
・薬剤名等:アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜を用いた透析(AN69®)
・臨床症状・措置方法:アナフィラキシーを発現することがある。
・機序・危険因子:多価イオン体であるAN69®により血中キニン系の産生が亢進し、さらに本剤によりブラジキニンの代謝が妨げられて、ブラジキニンが蓄積すると考えられる。
イミダプリル塩酸塩は主に腎から排泄され1)、腎機能障害のある患者では活性代謝物の血漿中濃度の上昇や排泄遅延が認められています2)。
また、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤により低血圧が起こることがあり、これは初回投与時の投与量がが多いほど、あるいは体内水分量が減少した状態で生じやすくなる3)ことから、透析患者では少量から投与を開始※して下さい。
※投与開始用量について、電子添文には以下の記載があります。
6. 用法及び用量
〈高血圧症、腎実質性高血圧症〉
通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症、腎障害を伴う高血圧症又は腎実質性高血圧症の患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
〈1型糖尿病に伴う糖尿病性腎症〉
通常、成人にはイミダプリル塩酸塩として5mgを1日1回経口投与する。ただし、重篤な腎障害を伴う患者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。
参考資料: |
1) |
伴野 清 他:田辺製薬研究報告(1993年)p.62~72 |
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2) |
石井 當男 他:臨床医薬/8/2/00299~00313/1992 |
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3) |
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法 |
[管理番号:10936]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます