A.
電子化された添付文書(電子添文)の記載は以下の通りです。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、動物実験(サル)で乳汁中へ移行することが報告されている。
妊娠~授乳期のカニクイザルにシンポニー®25及び50mg/kg(それぞれ10及び8例)を、妊娠50日~出産後33日に週2回反復皮下投与したところ、乳汁中本剤濃度は授乳14日目(投与後2日目)においてそれぞれ0.75±0.20及び3.65±1.95μg/mL、授乳28日目(投与後2日目)ではそれぞれ0.79±0.19及び3.62±2.09μg/mLでした1)。
シンポニー®の欧州電子添文では、シンポニー®の投与期間中及び投与後少なくとも6ヵ月間は授乳してはならないとされています2)。一方、国内の治療指針・ガイドラインでは、乳汁中へ排泄された薬剤の経口摂取における生体利用率が非常に低いと考えられることや、母乳栄養のメリットを考慮して、授乳中の抗TNFα抗体製剤の投与は許容できるとされています3)-5)。
※関節リウマチにおいてメトトレキサートと併用される場合がありますが、メトトレキサート製剤の授乳婦への投与は禁忌です6)。
参考資料: |
1) |
インタビューフォーム Ⅷ. 安全性(使用上の注意等)に関する項目 6. 特定の背景を有する患者に関する注意 |
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2) |
Simponi® Product Information:summary of product characteristics (annex I)
https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/simponi |
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3) |
全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、若年性特発性関節炎(JIA)や炎症性腸疾患(IBD)罹患女性患者の妊娠、出産を考えた治療指針
https://ra-ibd-sle-pregnancy.org/doctor_toward/index.html |
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4) |
日本リウマチ学会:関節リウマチ診療ガイドライン2024 p.204~205 |
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5) |
日本消化器病学会:炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2020 p.46~48 |
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6) |
メトトレキサート錠2mg「タナベ」 電子化された添付文書 |
[管理番号:16866]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年8月 更新 ]