A.
電子化された添付文書(電子添文)には、以下の記載があります。
10.相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
・薬剤名等:アドレナリン(アナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く) ボスミン
・臨床症状・措置方法:アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすことがある。
・機序・危険因子:アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用により、β受容体刺激作用が優位となり、血圧低下作用が増強される。
<アドレナリンが禁忌から除かれる場合がある理由>
・アナフィラキシーに関しては、致死的な状態に至る可能性があり、迅速な救急処置としてアドレナリン投与が必要とされることから、α-受容体遮断作用を有する抗精神病薬との併用により薬理学的に血圧低下が起こるリスクを考慮しても、患者の急な容態の変化に対応できる体制下においてアドレナリンを使用することは許容できるとされています1)。
・歯科用アドレナリン含有麻酔薬に関しては、抗精神病薬常用者に対する使用実態の調査において併用の実態があることが報告されており、相互作用が疑われる血圧低下が起こったのは3/21,074例(0.014%)であった2)こと等から、歯科用アドレナリン含有麻酔薬の電子添文と同じ「併用注意」が妥当と考えられています。
参考資料: |
1) |
厚生労働省:平成29年度第12回薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 医薬品等安全対策部会 安全対策調査会 資料1-1 アドレナリン製剤の使用上の注意の改訂について
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000197895.html |
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2) |
一戸 達也 他:日本歯科麻酔学会雑誌/42/2/00190~00195/2014 |
[管理番号:16692]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年6月 更新 ]