A.
電子化された添付文書上は特に注意喚起されていません。
周術期にレミケードを継続すると手術後の創傷治癒、感染防御に影響を及ぼす可能性がありますが、休薬すると疾患が再燃するおそれがあります1)2)。リスクとベネフィットを考慮した上で、休薬の必要性および期間をご検討下さい。
ご参考までに、関節リウマチのガイドラインには以下のような記載があります。
【関節リウマチ診療ガイドライン】1)
・整形外科手術の周術期における生物学的製剤の継続は、手術部位感染、創傷治癒遅延のリスクを高める可能性があることから、術前後は休薬することを推奨する。
・長期の休薬は関節リウマチの再燃を引き起こす可能性があるが、周術期の休薬期間に関しては意見の一致をみていない。
【関節リウマチに対するTNF阻害薬使用の手引き】2)
■周術期の各薬剤の休薬期間のエビデンスは限られるが、投与間隔、投与量、半減期などを考慮して決定することが望ましい。
■術前休薬期間について定まったものはないが、目安として、海外のガイドラインにおける生物学的製剤の術前休薬期間は以下の通り。
・米国リウマチ学会(ACR)と米国股・膝関節学会との共同ガイドライン:人工膝および股関節全置換術の周術期の場合、それぞれの生物学的製剤の予定投与日以降を推奨。
・英国(BSR):少なくとも1投与間隔は休薬することを推奨。感染のハイリスクの手術においては半減期の3〜5倍の休薬を推奨。
・フランス(CRI):インフリキシマブは4週の休薬を提案。
■手術後は創がほぼ完全に治癒し、感染の合併がないことを確認できれば再投与が可能である。
※ レミケードの血中濃度半減期は約8~9.5日です3)。
参考資料: |
1) |
日本リウマチ学会:関節リウマチ診療ガイドライン2024改訂 p.147~149 |
|
2) |
日本リウマチ学会:関節リウマチ(RA)に対するTNF阻害薬使用の手引き(2023年3月22日改訂版) |
|
3) |
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 5.重要な基本的注意とその理由 |
[管理番号:11147]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年5月 更新 ]