Q.イムセラの作用機序は?
A.
フィンゴリモドは生体内で活性代謝物のリン酸化体に代謝されます
1)。
リン酸化体は、スフィンゴシン1-リン酸受容体1(S1P
1受容体)と結合し、その内在化と分解を誘導することで、S1P
1受容体の機能的アンタゴニストとして作用するため、リンパ節などの二次リンパ組織からのリンパ球の移出を抑制します。ミエリン抗原特異的なTh17細胞を含む自己反応性T細胞も、同様の機序でリンパ節からの移出が抑制されるため、中枢神経系組織への浸潤が抑制されます
2)3)。
一方、外来性病原体の感染に対し重要な役割を担うエフェクターメモリーT細胞は、二次リンパ組織を介する循環能を有さないため、フィンゴリモドはエフェクターメモリーT細胞に対しほとんど影響しません
4)。
また、フィンゴリモドは、ヒト及び動物の中枢神経系(CNS)への移行性を有し、アストログリオーシス、脱髄及び神経細胞の傷害を抑制することが明らかにされています
5)。
リンパ球移出阻害作用
CNS直接保護作用
(図は総合製品情報概要より抜粋)
参考資料: |
1) |
Brinkmann V, et al.:AM J TRANSPLANT/4/7/01019~01025/2004 |
|
2) |
千葉 健治:日本臨床免疫学会会誌/32/2/00092~00101/2009 |
|
3) |
Brinkmann V:BR J PHARMACOL/158/5/01173~01182/2009 |
|
4) |
Kursar M, et al.:EUR J IMMUNOL/38/1/00127~00138/2008 |
|
5) |
Choi JW, et al.:PROC NATL ACAD SCI USA/108/2/00751~00756/2011 |
[管理番号:9358]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年12月 更新 ]
「製品Q&A」は、医療関係者の皆様からよくご質問頂く事項をとりまとめたものです。
製品の適正使用に関する参考情報であり、すべての事例にあてはまるものではございません。
そのため、本Q&Aの利用に伴って生じた結果につきましては責任を負いかねますのでご了承ください。
その他のお問い合わせは、弊社くすり相談センターまたは担当MRにいただきますようお願いします。