A.
肝機能障害患者への投与について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 肝機能障害又はその既往歴のある患者
血中濃度が上昇又は半減期が延長するおそれがある。また、症状が増悪するおそれがある。
16. 薬物動態
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.2 肝機能障害
軽度(Child-Pugh分類クラスA)、中等度(Child-Pugh分類クラスB)及び重度(Child-Pugh分類クラスC)の肝機能障害者(22例)にフィンゴリモド(1又は5mg)を単回経口投与したとき、健康成人に比べて、未変化体のCmaxに変化はみられなかったが、AUCがそれぞれ12%、44%及び103%増加した。軽度の肝機能障害者では消失半減期に変化はみられなかったが、中等度及び重度の肝機能障害者では消失半減期がそれぞれ49%及び50%延長した。リン酸化体は重度の肝機能障害者においてのみ測定し、健康成人に比べてCmax及びAUCがそれぞれ22%及び29%減少した1)2)(外国人のデータ)。
※イムセラの用法及び用量は、「通常、成人にはフィンゴリモドとして1日1回0.5mgを経口投与する。」です。
多発性硬化症患者を対象とした国内使用成績調査(全例調査)では、フィンゴリモド製剤の使用歴がある患者を除いた初回投与集団の安全性解析対象症例1,624例のうち、肝機能障害を有する症例は109例でした。副作用発現割合は、初回投与集団で940/1,624例(57.88%)、肝機能障害を有する患者で74/109例(67.89%)でした。肝機能障害を有する患者の主な副作用の発現割合は、リンパ球数減少29/109例(26.61%)、肝機能異常16/109例(14.68%)、白血球数減少13/109例(11.93%)、γ-GTP増加12/109例(11.01%)でした3)。
キーワード:肝障害
参考資料: |
1) |
Kovarik JM, et al.:J CLIN PHARMACOL/45/4/00446~00452/2005 |
|
2) |
Kovarik JM, et al.:J CLIN PHARMACOL/46/2/00149~00156/2006 |
|
3) |
再審査申請資料概要 1.4.5.5 肝機能障害を有する患者 |
[管理番号:9323]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年1月 更新 ]