A.
妊婦又は妊娠している可能性のある女性への投与について、電子化された添付文書には、以下の記載があります。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。本剤投与中に妊娠した患者において、奇形を有する児が認められたとの報告がある。動物実験において、胚・胎児死亡率の増加(ラット及びウサギ)、内臓異常(ラット:総動脈幹遺残及び心室中隔欠損等)及び骨格変異(ウサギ)を含む発生毒性が認められている。
■ヒトでのデータ1)
・国内外の臨床試験においてイムセラ投与中に妊娠した患者50例のうち、19例が出産に至り(17例:正常新生児、1例:出生児に先天性脛骨湾曲、1例:無頭蓋症を認めた)、14例が人工流産(うち1例は胎児にファロー四徴を認めた)、6例が自然流産、11例の転帰は不明でした。
・現在までに得られている妊娠に関するデータは限られており、イムセラの胎児に対する催奇形性のリスクの有無については、まだ明確な結論には至っていません。
■動物でのデータ
・イムセラが作用するS1P1受容体は、胚発生中の血管形成に関与することが知られています2)。
・動物実験(ラット、ウサギ)において、イムセラ投与による発生毒性が認められています3)。
①ラットを用いた胚・胎児発生試験では、着床後死亡率の増加及び生存胎児数の減少が認められ、胎児には総動脈幹遺残、心室中隔欠損などの内臓奇形が認められました。
②ウサギを用いた胚・胎児発生試験では、着床後死亡率の増加、生存胎児数の減少、骨化遅延、胸骨分節癒合、腰椎過剰などの骨格変異が認められました。
妊娠可能な女性に対しては、投与開始前に、患者が妊娠していないことを確認し、患者に対してイムセラが胎児に悪影響を及ぼす可能性があることを十分に説明し、投与期間中及び最終投与後2ヵ月間※は適切な避妊を徹底するよう指導して下さい。また、投与中に妊娠が確認された場合には直ちに投与を中止して下さい4)。
※イムセラは消失半減期が6~9日間と長く、投与中止後の血中からの消失には最長で2ヵ月かかる場合があり、その間、薬力学的効果も持続します4)。
参考資料: |
1) |
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 6.特定の背景を有する患者に関する注意 |
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2) |
Allende ML, et al.:BIOCHIM BIOPHYS ACTA/1582/1,2,3/00222~00227/2002 |
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3) |
インタビューフォーム Ⅸ.非臨床試験に関する項目 2.毒性試験 |
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4) |
電子化された添付文書 |
[管理番号:9268]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年1月 更新 ]