Q.カナグルによる血糖降下の作用機序は?
A.
健康成人では、糸球体でろ過されたグルコースのほぼ100%が近位尿細管に存在するナトリウム-グルコース共輸送体2 および1(SGLT2およびSGLT1)により再吸収されます。グルコース濃度が高い近位尿細管起始部(S1分節)にはSGLT2が、グルコース濃度が低くなる近位尿細管遠位部(S3分節)にはSGLT1が局在しますが、グルコース再吸収の約90%はSGLT2が担っています
1)2)。
血糖値が高くなり、SGLTのグルコース再吸収能が限界(腎糖排泄閾値:renal threshold for glucose excretion;RTG)を超えると、尿中にグルコースが排泄されます。
2 型糖尿病患者では健康成人に比べSGLT2の発現が増加し、グルコースの再吸収が上昇していますが
3)、カナグルはSGLT2を阻害することによりグルコースの再吸収を抑制し、RTGを低下させ、尿糖排泄を増加させることにより血糖低下作用を示します
4)。
(図は総合製品情報概要より抜粋)
参考資料: |
1) |
Abdul-Ghani M.A., et al.:ENDOCRINE PRACTICE/14/6/00782~00790/2008 |
|
2) |
Mather A., et al.:KIDNEY INT/79/S120/00001~00006/2011 |
|
3) |
Rahmoune H., et al.:DIABETES /54/12/03427~03434/2005 |
|
4) |
インタビューフォーム Ⅵ.薬効薬理に関する項目 2.薬理作用 |
[管理番号:11013]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年9月 更新 ]
「製品Q&A」は、医療関係者の皆様からよくご質問頂く事項をとりまとめたものです。
製品の適正使用に関する参考情報であり、すべての事例にあてはまるものではございません。
そのため、本Q&Aの利用に伴って生じた結果につきましては責任を負いかねますのでご了承ください。
その他のお問い合わせは、弊社くすり相談センターまたは担当MRにいただきますようお願いします。