A.
重篤な肝障害、肝疾患のある患者は、電子化された添付文書(電子添文)での禁忌にあたります。
また、9.特定の背景を有する患者に関する注意 9.3 肝機能障害患者 の項には以下の記載があります。
「9.3.1 重篤な肝機能障害、肝疾患のある患者:投与しないこと。原疾患が悪化するおそれがある。
9.3.2 肝機能障害患者、肝疾患のある患者(重篤な肝機能障害、肝疾患のある患者を除く):原疾患が悪化するおそれがある。」
ボンゾールの主な代謝は肝臓で行われており、薬物代謝酵素(CYP3A4)の阻害作用が関与して肝機能異常が起きると考えられます
1,2,3)。
有効成分のダナゾールはcytochrome P-450(CYP)に高い親和性を示し4)、CYP3A4に対する阻害作用を有します3)。
なお、電子添文の11.1 重大な副作用の項には、劇症肝炎、肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)が挙げられており、8.重要な基本的注意の項には、長期投与により肝腫瘍、肝臓紫斑病(肝ペリオーシス)が発生したとの報告があるので定期的に肝超音波検査等の画像診断を実施することが望ましいとされています。
参考資料: |
1) |
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) |
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2) |
インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 5.慎重投与内容とその理由 |
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3) |
インタビューフォーム Ⅶ.薬物動態に関する項目 5.代謝 |
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4) |
小西 廣己 他:薬学雑誌/110/1/00049~00054/1990 |
[管理番号:11529]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2023年7月 更新 ]