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水痘予防の目的で接種する場合、ステロイドは併用禁忌には該当せず、「免疫抑制をきたす治療を受けている者」は接種要注意者に当たります。
水痘ワクチンは元来、ハイリスク患者(免疫機能に障害をきたしている者及びそのおそれのある者)の水痘予防を目的として開発されたものであり、ステロイド投与中の者にも接種を検討して頂けますが、免疫機能低下者への接種は慎重に行う必要があるため、疾患ごとに接種基準が定められています1)。
電子化された添付文書(電子添文)7. 用法及び用量に関連する注意に記載されている、ハイリスク患者における接種基準をご参照の上、ご判断ください。ただし、接種時に基準に該当していても、接種後2週間以内に治療等により末梢血リンパ球数の減少あるいは免疫機能の低下が予想される場合は、播種性の症状を呈するなどワクチンウイルスの感染を増強させる可能性があるため、接種を避ける必要があります2)。
水痘ワクチンは生ワクチンですので、免疫抑制状態下ではワクチンウイルスによる感染を増強あるいは持続させる可能性があります。接種によるリスクとベネフィットを勘案の上、被接種者の体調や周囲の流行状況等を総合的に考慮して接種可否をご判断ください。
また、水痘ワクチンの電子添文上には、水痘の予防の際に併用禁忌となる薬剤は定められていませんが、使用しているステロイドの電子添文の「重要な基本的注意」や「相互作用」の項などに生ワクチンとの併用を避けるような記載がある場合は、接種は控えてください。
参考資料: |
1) |
一般社団法人日本ワクチン産業協会:予防接種に関するQ&A集2023 p.214~215 |
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2) |
電子化された添付文書 |
[管理番号:15219]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年7月 更新 ]