A.
2種類以上の予防接種を同時に同一の接種対象者に対して行う同時接種は、医師が特に必要と認めた場合に行うことができます1)。
■MRワクチン(ミールビック)の特定使用成績調査において、水痘ワクチンと同時接種した場合の安全性について調査した結果、同時接種後の副反応の発現症例率は29.2%(122/418例)であり、重篤な副反応の発現はありませんでした。ミールビックの使用成績調査の1回目単独接種例における副反応発現症例率は、34.6%(1,059/3,058例)でした2)。
■MRワクチンの第1期接種時に水痘ワクチンを同時接種した例と、年齢・性別をそろえた水痘ワクチン単独接種例およびMRワクチン単独接種例を比較した臨床研究では、同時接種群および単独接種群における麻疹、風疹、水痘に対する接種後抗体価(log2)は以下の通りであり、有意な差はありませんでした(Mann Whitney U-test)3)。
・麻疹(NT法):同時接種群5.41±1.57、MR単独接種群5.34±1.29(p=0.400)
・風疹(HI法):同時接種群5.54±1.74、MR単独接種群5.63±1.62(p=0.520)
・水痘(IAHA法):同時接種群3.81±2.17、水痘単独接種群3.35±2.37(p=0.368)
・水痘(gp-ELISA法):同時接種群2.38±0.40、水痘単独接種群2.36±0.50(p=0.529)
また、同臨床研究における同時接種群(50例)およびMR単独接種群(50例)の副反応は、それぞれ発熱(26.0%および28.0%、p=0.82)、発疹(10.0%および12.0%、p=0.75)、咳嗽(12.0%および12.0%、p=1.00)、鼻汁(16.0%および20.0%、p=0.60)、接種部発赤(4.0%および6.0%、p=0.65)、接種部腫脹(2.0%および2.0%、p=1.00)と両群間に有意差は認められませんでした(χ2検定およびt検定)3)。
参考資料: |
1) |
公益財団法人予防接種リサーチセンター:予防接種ガイドライン2024年度版 p.38 |
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2) |
ミールビック 特定使用成績調査<水痘ワクチン同時接種に関する調査> 調査結果報告書 2016年1月作成(XPMS212A-) |
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3) |
大橋 正博 他:日本小児科学会雑誌/117/9/01416~01423/2013 |
[管理番号:14843]
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[ 2024年7月 更新 ]