A.
電子化された添付文書上、手術前後の接種に関する規定はありません。
感染症の流行状況や被接種者の病態を勘案してご判断下さい。
ご参考までに、手術と予防接種の間隔について以下のような目安が示されています。
【手術前に接種する場合】
■抜歯、扁摘手術、ヘルニア手術等、緊急性のない場合には、紛れ込み事故を考慮に入れ、手術前1か月間は予防接種を原則として避けることが望ましいとされています。ただし、緊急性の高い手術、周囲に流行する病気の状況によっては、必ずしもこの限りではありません1)。
■全身麻酔による手術を行う際、予防接種による副反応が生じ得る時期を避けるためには、生ワクチンは手術の3週間前、不活化ワクチンは手術の2日前までに接種することが望ましいとする資料もあります2)。ただし、心臓の手術の場合は侵襲が大きいため、人工心肺の使用の有無に関わらず、生ワクチンは手術の1か月前、不活化ワクチンは手術の2週間前までに接種しておく方がよいとされています3)。
【手術後に接種する場合】
■全身麻酔による手術を行った後は、麻酔による免疫機能の低下から回復するまでの期間と、予防接種を遅らせて感染症に罹患するリスクを考慮して、1週間経てば予防接種を施行してよいとされています2)。ただし、心臓の手術後は、人工心肺使用例では3か月、使用しなかった場合でも4週間は予防接種を控えるとされています3)。
参考資料: |
1) |
公益財団法人予防接種リサーチセンター:予防接種ガイドライン2024年度版 p.33 |
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2) |
檜垣 博嗣:小児内科/45/S000/00154~00155/2013 |
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3) |
本田 隆文、寺井 勝:小児内科/45/S000/00147~00148/2013 |
[管理番号:14648]
※電子添文はこちらよりご覧いただけます
[ 2024年7月 更新 ]