Webセミナー

お忙しい先生方の診療にお役立ていただくためにWebセミナーを開催しております。ご自宅や病院、診療所などから、ご視聴いただけます。

#

アレルギー性結膜炎

花粉症シーズンまでに知っておきたいアレルギー性結膜炎の診断と治療

【ライブ配信】 2020年11月19日(木) 19:00 ~ 20:00(終了)

花粉症シーズンまでに知っておきたいアレルギー性結膜炎の診断と治療

【演者】

高村 悦子先生 東京女子医科大学 眼科
高村 悦子 先生

 アレルギー性結膜炎の治療は、花粉飛散期には抗アレルギー点眼薬を第一選択とし、花粉飛散ピーク時で症状が治まらなければ、ステロイド点眼薬を併用する。しかし、ステロイド点眼薬には眼圧上昇の副作用があるため、点眼中は眼科での診察が必要となる。すでに耳鼻咽喉科や内科、小児科に通院している眼症状のある花粉症患者にとって多種類の点眼を併用したり、眼科への通院を勧められたりするより、一種類の点眼薬で治療を継続する方が望ましいのではないだろうか。最近の調査で、抗アレルギー点眼薬を用法どおりに点眼した患者は、用法を守らなかった患者に比べ、QOLが良好であったことが報告されている。眼科以外の先生方にも抗アレルギー点眼薬は積極的に処方してほしい治療薬である。時々、点眼状況を聞き、用法通り点眼することを勧めてほしい。現在処方可能な10種類の抗アレルギー点眼薬は、いずれも内服薬や点鼻薬として認可されているものである。点眼薬は高濃度で眼表面に作用するため、結膜炎に対しては内服薬のみで治療を行うより点眼薬単独、または併用の方が有効である。点眼薬は全身への移行が少ないため、抗ヒスタミン作用を有する点眼薬でも眠気などの副作用を比較的気にせず使えるメリットがある。一方、内服薬とは異なり、小児用に特化した点眼薬はないが、市販後調査で小児の安全性、有効性が検討されている。抗アレルギー点眼薬による初期療法は、花粉飛散時期の症状の軽減、症状発現期間の短縮が期待できる。2019年11月に処方可能となった0.1%エピナスチン塩酸塩点眼薬は、従来の0.05%エピナスチン塩酸塩点眼薬に比べ、結膜への滞留性、抗ヒスタミン効果の持続とも長く、1日2回の点眼で有効性が確認されている。これからは、かゆみどめ、として点眼するのではなく、発症期は決まった時間に点眼し、かゆみが気になりにくい目、を維持することで花粉症の症状改善が期待できる。
 セルフケアとしては花粉を洗い流す目的で洗眼を薦めてほしい。洗眼には眼表面の粘膜への安全性の点から、防腐剤無添加の人工涙液や点眼型洗眼薬を用いることが望ましい。ただし、抗アレルギー点眼薬使用中は、治療薬を洗い流さないために、洗眼のタイミングは治療薬点眼とは5分以上の間隔をあけておこなうように指導している。
 花粉症患者のQOLを上げるためには、診察にあたる眼科以外の先生方にもアレルギー性結膜炎の正しい治療法やセルフケアについて理解いただき、必要に応じ私たち眼科医との連携を取りながら患者満足度を上げる工夫が必要である。ここでは、眼科医の立場から花粉症患者にぜひ行ってほしい治療やセルフケアについて、鼻炎の治療との相違点を考えながら述べてみたい。

HOME の中の Webセミナー

ID・パスワードを
お忘れの方はこちら