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グルカゴン・インクレチン研究Update

【座長】

公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院　理事長
稲垣 暢也 先生

【演者】

群馬大学 生体調節研究所 代謝シグナル研究展開センター 代謝シグナル解析分野　教授
北村 忠弘 先生

グルカゴンとインクレチンは糖尿病の病態においてインスリンと同様に密接に関わっているが、インスリン研究に比べ、グルカゴン研究が大きく遅れていた理由は血中グルカゴン濃度の正確な測定法がなかったからである。
我々のグループはLC-MS/MS法によるグルカゴンの正確な測定法を開発したが、測定時間とコストの問題から臨床検査に応用できなかった。一方、現在臨床検査で用いられているサンドイッチELISA法は特異性の低さから一部の患者の血中グルカゴン濃度を正確に測定できなかったが、最近我々はLC-MS/MS法と同等の正確性を持つ新たなサンドイッチELISAを開発した。
本講演では新規開発グルカゴンサンドイッチELISAの有効性を紹介し、グルカゴンとGLP-1、GIPのインクレチンを考慮した2型糖尿病の診断、及び治療方針決定について最新の治療薬の話題も踏まえて議論したい。