第24号 2016年10月発行

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PDF 周術期管理におけるチーム医療の推進と薬剤師の役割(1096KB)

  • 亀田総合病院 薬剤部長 舟越 亮寛 先生
  • 東邦大学医療センター大森病院 麻酔科 教授/日本麻酔科学会 周術期管理チーム委員会 落合 亮一 先生
  • 広島大学病院 薬剤部 主任 柴田 ゆうか 先生

近年、薬剤師による病棟業務やチーム医療における役割が広く認識されるようになり、今では救急、ICU、手術室などにおける、特に高度なスキルを要する医薬品の管理や情報提供、薬物療法適正化への貢献も求められている。2016年度の診療報酬改定でも病棟薬剤業務実施加算の対象に特定集中治療室等が新たに加えられた。しかし現在、この分野に薬剤師が参加している病院はまだ少なく、他職種や患者さんのニーズに十分に応えられていないのが実状である。こうした中で、日本麻酔科学会は、医師、看護師、薬剤師、臨床工学技士、事務職員など多職種が参加する「周術期管理チーム」の普及を目指し、2014年度には「周術期管理チーム看護師認定制度」が、薬剤師についても2016年度に認定制度が開始された。そこで今回、周術期管理チームに焦点を当て、先駆的な取り組みをされてきた3名の先生方にお集まりいただき、薬剤師に求められる役割や、術前、術中、術後の薬学的管理や連携の在り方、今後の展望について討議していただいた。

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C-Pharmacy-1山形市立病院済生館

PDF リスクマネジメントから広がる薬剤師業務(749KB)

  • 糖尿病・内分泌内科長/地域糖尿病センター室長 五十嵐 雅彦 先生
  • 薬局長 荒井 浩一 先生
  • 薬局 病棟・医薬品情報係長 松田 圭一郎 先生
  • 薬局 糖尿病療養指導士 佐東 未咲 先生

~糖尿病チーム医療と病棟薬剤業務のアウトカム評価の取り組み~
山形市立病院済生館(山形市・585床)は県内初の地域医療支援病院であり、機能分担と業務連携に基づき地域に根ざした医療を提供している。薬剤部門もまた、薬物療法の安全性と有効性の向上に向けた業務を通じて、チーム医療における存在価値を高めるとともに、退院時指導の徹底など保険薬局との情報共有により、入院から外来、在宅まで切れ目のない薬物療法の提供を目指している。医療提供体制が変化する中で、薬剤師は薬物療法の専門家として、どのような役割を果たすことができるのか、同館のさまざまな取り組みの中から、糖尿病チーム医療における薬剤師の活躍と病棟業務のアウトカム評価にスポットを当てて紹介する。

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C-Pharmacy-2岡山赤十字病院

PDF スキルミックスと職場環境作りで職能の最大化を目指す(719KB)

  • 院長 忠田 正樹 先生
  • 薬剤部 部長 森 英樹 先生
  • 薬剤部 係長 大道 淳二 先生

~病棟業務やPBPMを通じてチーム医療の質を向上~
厚生労働省医政局長通知「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療の推進について」(2010年4月30日)では、薬剤師が主体的に薬物療法に参加することの有益性が認められ、これまでも全国で薬剤師によるさまざまな取り組みが行われてきた。今では病棟で薬剤師が業務する姿は日常的となり、既に次のステップに向けた挑戦も始まっている。岡山赤十字病院(岡山市・500床)薬剤部は、「スキルミックス(多職種協働)」と「働きやすい環境づくり」をテーマに、チーム医療への積極的な参画と薬剤部内の結束強化に力を入れ、薬剤師がやりがいを持ち、生き生きと活躍することを目指している。同院の取り組みの中から、緩和ケアにおけるプロトコルに基づく薬物治療管理(PBPM)の実践と、組織内の心理的な障壁を克服するために取り入れたアイデアを紹介する。

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C-Pharmacy-3医療法人修礼会 おあしす内科リウマチ科クリニック

PDF 診療所における薬剤師の業務と期待される専門性(705KB)

  • 院長 太田 修二 先生
  • DI室長/治験コーディネーター/薬剤師 宮村 玲子 先生

~医師との信頼関係を基礎に効果的なチーム医療を実現~
厚生労働省の「平成26年(2014) 医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、薬剤師の勤務施設の構成比は薬局56%、病院17%、診療所2%となっている。医療法では、例外規定はあるものの専属薬剤師の配置が義務付けられているのは、医師が常時3人以上勤務する診療所に限られているため、診療所に勤務する薬剤師は全国に6千人弱と少なく、その業務内容も広く知られているとは言い難い。おあしす内科リウマチ科クリニック(茨城県日立市)は、チーム医療による患者さんのトータルサポートを基本方針に掲げ、開業時より薬剤師を配置し、専門性を生かしてリウマチ性疾患における積極的治療や患者さんの継続的支援を行っている。診療所の薬剤師における診療への関与と医療の質向上への貢献について取材した。

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C-Pharmacy-4深谷赤十字病院

PDF 病院主導で取り組む残薬解消(751KB)

  • 薬剤部 薬剤部長 麻生 一郎 先生
  • 薬剤部 医薬品情報課長 須賀 宏之 先生

~埼玉県北部薬薬連携協議会の活動と成果~
服薬コンプライアンスの低下やポリファーマシー(多剤処方)などによる残薬の問題が、近年社会的に注目されるようになり、2016年度の診療報酬改定では、内服薬の処方削減を評価するとともに、処方箋様式の変更による残薬調整が促された。深谷赤十字病院(埼玉県深谷市・506床)薬剤部は、保険薬局で患者さんの残薬を確認した場合、疑義照会なしで処方日数を短縮できる連携のスキームを構築し、2015年12月より運用を開始した。医薬品の適正使用の推進に向けた埼玉県北部地域の取り組みを取材した。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

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