第22号 2015年9月発行

全て開く
開く

VIEW

PDF 地域連携システムで期待される薬剤師の職能(943KB)

  • 八尾市立病院 病院長 星田 四朗 先生
  • 八尾市立病院 薬剤部 診療局次長(兼)薬剤部長(兼)臨床研究センター長 山崎 肇 先生
  • 八尾市立病院 薬剤部 医薬品情報管理室 主任技師 小川 充恵 先生
  • 八尾市立病院 事務局 参事 小枝 伸行 先生
  • 大阪府薬剤師会 常務理事/ヤマムラ薬局 山村 万里子 先生
  • 八尾市薬剤師会 理事/有限会社ブルースカイ みどり薬局 篠原 裕子 先生

~八尾市立病院「病診薬連携システム」の患者情報共有~
医療機関の機能分化と連携、在宅医療の充実などによる地域包括ケアが推進される中で、入院・外来・在宅を通じ、患者さんにより安全で継続性のある薬物療法を提供するための薬剤師の役割がクローズアップされている。一方で、医療分野のICT化や電子カルテの普及に伴い、インターネット回線を利用した地域医療連携システムの整備が容易となり、患者情報・診療情報の共有が全国各地で進められている。八尾市立病院(大阪府八尾市・380床)は地域の診療所、歯科診療所のほか、保険薬局も患者さんの同意を得て病院の電子カルテ情報の一部を共有できる「病院・診療所・薬局連携ネットワークシステム」(病診薬連携システム)を構築し、2013年1月より運用を開始した。このシステムは薬剤師にどのような変化をもたらし、地域医療連携の中で薬剤師はどのような役割を果たしていくべきなのか、病院と保険薬局、それぞれの立場からお話を伺った。

開く

C-Pharmacy-1公立学校法人 横浜市立大学附属市民総合医療センター

PDF 造血幹細胞移植におけるTDMと処方設計支援(738KB)

  • 血液内科 部長・准教授 藤澤 信 先生
  • 薬剤部 副薬剤部長 橋本 真也 先生
  • 薬剤部 がん薬物療法認定薬剤師 上手 真梨子 先生
  • 薬剤部 血液内科・皮膚科病棟担当薬剤師 椙山 聡一郎 先生

~病棟業務の充実を通じて薬剤師の専門性を追求~
病棟薬剤業務の広がりとともに、チーム医療における薬剤師の役割や専門性に対する評価は着実に高まりつつある。特に、処方設計支援については医薬品適正使用および医師の負担軽減への成果が多数報告されている。横浜市立大学附属市民総合医療センター(神奈川県横浜市・726床)薬剤部は、2016年度の病棟薬剤業務実施加算算定を目指して血液内科・皮膚科病棟をモデル病棟として薬剤師を配置し、業務の充実を図る中で、造血幹細胞移植におけるTDMと処方設計支援に精力的に取り組んでいる。造血幹細胞移植における薬剤師の業務とその意義を中心に、現状と今後の展開についてお話を伺った。

開く

C-Pharmacy-2地方独立行政法人 堺市立病院機構 堺市立総合医療センター

PDF 臨床実務能力を重視した薬剤師の育成(677KB)

  • 薬剤・技術局局長兼薬剤科科長/近畿大学薬学部客員教授 石坂 敏彦 先生
  • 薬剤科 主幹 安井 友佳子 先生

~レジデント制度・連携大学院制度による持続的な教育体制~
薬物療法の質向上に対する薬剤師の貢献が期待される中で、臨床薬剤業務およびチーム医療の実務能力を備えた薬剤師の育成と研修体制の確立が課題となっている。薬学6年制により臨床教育の充実が図られる反面、薬剤師の卒後臨床研修は、医師とは異なり公式には制度化されていない。堺市立総合医療センター(大阪府堺市・487床)薬剤科は、日常業務を通じた専門能力の養成に取り組むとともに、2011年度に薬剤師レジデント制度を、2014年度には連携大学院制度を導入し、独自の薬剤師臨床研修プログラムを構築した。実務能力と研究マインドを兼ね備えた“臨床に強い”薬剤師の育成を目指す同院の取り組みを取材した。

開く

C-Pharmacy-3みやぎ県南中核病院企業団 みやぎ県南中核病院/仙南薬剤師会

PDF 薬薬連携で追求するがん患者支援の充実(792KB)

  • みやぎ県南中核病院 薬剤部 副薬剤部長 田中 敏 先生
  • みやぎ県南中核病院 薬剤部 緩和薬物療法認定薬剤師 山寺 文博 先生
  • 有限会社メディファル 代表取締役/宮城県薬剤師会副会長 瀬戸 裕一 先生
  • 仙台調剤薬局大河原西店 薬局長 大内 一希 先生
  • 銀座薬局 管理薬剤師 牛澤 啓至 先生

~治療手帳『わたしのカルテ』によるがん化学療法の情報共有~
急性期医療における在院日数短縮、内服抗がん剤の開発、支持療法の進歩などにより、がん化学療法は外来が中心となった現在、治療の安全性を高め、適切な服薬指導を行うためには、病院と保険薬局の情報共有が不可欠である。みやぎ県南中核病院(宮城県柴田郡・310床)は薬剤師会と連携し、入院・外来・在宅を通じた安全な薬物療法の提供を目指している。在宅緩和ケアにおける連携先進地区として知られる同地域が新たに取り組んだ、がん化学療法の情報共有の実情と今後の展開について、病院薬剤師と薬局薬剤師の双方からお話を伺った。

開く

C-Pharmacy-4株式会社麻生 飯塚病院

PDF 外来におけるハイリスク薬初回処方時の患者指導(742KB)

  • 薬剤部 薬剤長 金澤 康範 先生
  • 薬剤部 北村 真奈美 先生
  • 薬剤部 牛島 悠一 先生

~薬剤師法・患者ニーズ・TQM活動により実現した業務改善~
2014年6月に施行された改正薬剤師法により、薬剤師は患者さんに対する情報提供に加え、必要な薬学的知見に基づく指導を行うことが義務付けられた。株式会社麻生 飯塚病院(福岡県飯塚市・1116床)薬剤部はこれを受けて、外来診療におけるハイリスク薬(糖尿病薬、抗悪性腫瘍剤、ステロイド、医療用麻薬)の初回処方時に薬学的指導を開始した。そのための新たな仕組み作りは、TQM(Total Quality Management)活動として行われ、活動終了後も対象薬剤を増やしつつ取り組みを継続している。科学的アプローチによる外来服薬指導体制の構築の過程と成果を取材した。

開く

C-Pharmacy-5北海道厚生農業協同組合連合会 帯広厚生病院

PDF 医薬品情報の活用による適正使用の推進(696KB)

  • 薬剤部長 小森 均 先生
  • 薬剤部 医薬品情報室係長 佐藤 弘康 先生

~医薬品情報専門薬剤師が主導するリスク最小化の仕組み作り~
社会の情報化に伴い、誰でも広範な医薬品情報を容易に入手可能になると、薬剤師には医薬品の有効性と安全性を高める有用な情報を収集し活用する専門スキルがこれまで以上に求められるようになった。こうした社会的な背景の中で、2012年に医薬品情報専門薬剤師制度が創設され、2015年1月までに52名が認定されている。帯広厚生病院(北海道帯広市・743床)薬剤部では医薬品情報(DI)担当薬剤師が、医薬品情報専門薬剤師と医療情報技師の資格を生かし、情報の収集と共有化、重要度・緊急度に応じた的確な情報提供の仕組み構築に成果を上げている。

開く

C-Pharmacy-6福岡県小郡七夕薬薬ネットワーク

PDF 糖尿病療養指導における地域連携の可能性(712KB)

  • 総合メディカル株式会社 そうごう薬局 小郡中央店 薬局長 百枝 尚 先生
  • 総合メディカル株式会社 そうごう薬局 大刀洗店 石井 美帆 先生
  • 一般社団法人久留米三井薬剤師会 副会長/すくすく調剤薬局 白木 秀和 先生

久留米三井薬剤師会は地域の薬剤師間のつながりを重視し、互いに顔が見える関係を構築すべく、年1回、スモールディスカッションを行うなどの活動を13年間にわたり続けてきた。一方、当地域では地域医療支援病院である嶋田病院を中心に、専任の「連携コーディネートナース」を介した循環型糖尿病地域連携パスの運用を全国に先駆けて開始するなど、日本一の糖尿病診療連携を目指したさまざまな取り組みが実施されている。近年、地域の糖尿病啓発活動や糖尿病教室に薬局薬剤師が積極的に取り組むことで、糖尿病診療の質向上に貢献している。

開く

C-Pharmacy-7株式会社セントフォローカンパニー

PDF 地域包括ケアシステムにおける保険薬局の役割と取り組み(623KB)

  • 埼玉エリアマネージャー SFC薬局 幸手中央店 管理薬剤師 関谷 陽子 先生

厚生労働省は、2025年をめどとして、要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを生涯にわたり続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築を目指している。埼玉県幸手市でもこの取り組みが進められる中で、株式会社セントフォローカンパニー(本社:茨城県水戸市)SFC薬局幸手中央店は、他に先駆けて積極的な関与を模索している。管理薬剤師の関谷陽子先生は、薬剤師としてはもちろん、一市民としてもさまざまな活動に携わり、街づくりへの貢献をライフワークとしている。保険薬局や薬剤師はどこまで地域と関わり、どのような貢献が可能なのか。関谷先生に現状と課題、そして目指すところを取材した。

掲載している情報は、取材時もしくは掲載時のものです。

ID・パスワードを
お忘れの方はこちら