VIEW座談会
新たな認定制度「薬物療法専門薬剤師」の可能性(1700KB)
- 日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師認定制度委員会 委員長/金沢市立病院 薬剤室 室長 河原 昌美 先生
- 日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師研修小委員会 委員長/国際医療福祉大学 薬学部 教授 百瀬 泰行 先生
- 名古屋大学大学院医学系研究科 総合診療医学 教授/日本医学教育学会 理事長 伴 信太郎 先生
- 独立行政法人国立循環器病研究センター 薬剤部 医薬品情報管理主任/米国薬物療法専門薬剤師(BCPS) 岩澤 真紀子 先生
- 名古屋大学医学部附属病院 薬剤部 主任/薬物療法専門薬剤師 千﨑 康司 先生
- 独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院 薬剤部/薬物療法専門薬剤師 山﨑 美保 先生
スーパージェネラリストに期待する医療への貢献
チーム医療の拡大をはじめとする医療提供体制の変化に伴い、薬剤師の役割も重要性を増している。日本医療薬学会では、新しい専門資格として「薬物療法専門薬剤師認定制度」を2012年5月に設立し、2014年度までに21名の薬物療法専門薬剤師が誕生している。幅広い領域にわたり、高い水準の知識、技術及び臨床能力を持つ「スーパージェネラリスト」の育成を目指す本制度には多方面から大きな期待が寄せられている。ファーマスコープでは、薬物療法専門薬剤師認定制度委員会および同研修小委員会の各委員長をはじめ、総合診療医、日米の薬物療法専門薬剤師など、さまざまな立場の関係者にお集まりいただき、本制度の設立の狙い、認定者に求められる臨床能力、業務実践例、今後の方向性や課題などについて討議していただいた。
C-Pharmacy-1杏林大学医学部付属病院
多職種の協働で実現する糖尿病療養指導外来(1513KB)
- 薬剤部 部長 篠原 高雄 先生
- 薬剤部 科長補佐/日本糖尿病療養指導士 小林 庸子 先生
~糖尿病チーム医療の拡充と患者貢献の取り組み~
糖尿病の治療では、患者さん自身が正しい知識を身に付け、主体的に生活習慣の改善に取り組むことが重要であり、それを効果的に支援するには、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士など、さまざまな専門職種が参加するチーム医療が不可欠だ。杏林大学医学部付属病院(東京都三鷹市・1,153床)は、糖尿病療養指導士の資格を持つ多職種のスタッフからなる糖尿病療養支援チームを編成し、糖尿病療養指導外来や糖尿病教室をはじめ、地域の糖尿病治療の質向上に向けて多方面にその活躍の場を広げている。糖尿病チーム医療の一員として患者さんの療養生活をサポートする薬剤師の業務についてお話を伺った。
C-Pharmacy-2高知大学医学部附属病院 薬剤部
病棟薬剤業務の確立に向けた支援システムの構築と業務分析(1284KB)
- 副薬剤部長(試験研究担当・臨床准教授) 横田 淳子 先生
- 専門員(病棟薬剤業務担当) 森田 靖代 先生
- 薬品情報室 主任 岡﨑 雅史 先生
- 病棟薬剤業務支援室 主任 長﨑 志津 先生
~薬物療法の質向上と効率化を目指して~
診療報酬に「病棟薬剤業務実施加算」が新設されて3年近くが経過し、薬剤師の病棟業務は急速に普及、拡大している。薬物療法の質向上における薬剤師の貢献が評価される一方で、人員不足から全病棟への専任薬剤師の配置に苦慮する病院も少なくない。いかにして効率的な業務体制を実現するかは、全国の病院薬剤部門の共通の課題である。高知大学医学部附属病院(南国市・605床)薬剤部は、効率的で質の高い病棟薬剤業務を支援する情報システムを構築するとともに、試行病棟における業務分析を行った。病棟薬剤業務の確立に向けたさまざまな取り組みとその有用性評価についてお話を伺った。
C-Pharmacy-3岩手県立中央病院/リード薬局
問題意識の共有で「顔の見える薬薬連携」を実現(1252KB)
- 岩手県立中央病院 薬剤部 次長 松井 伯之 先生
- 岩手県立中央病院 薬剤部 主任薬剤師 岡田 浩司 先生
- 有限会社メディワークス盛岡 代表取締役 東 透 先生
- 有限会社メディワークス盛岡 企画管理部門マネージャ/リード薬局 遠山 明宏 先生
~外来化学療法における情報共有と研修会の開催~
患者さんに安全で有効な薬物治療を提供するために、お薬手帳や薬剤情報提供書などの情報共有ツールを用いた薬薬連携の取り組みが各地で進められている。特に、がん治療においては、経口抗がん剤や分子標的薬、支持療法など、薬物療法の高度化・複雑化に伴い、薬局薬剤師による患者さんに対するきめ細かな支援が不可欠であり、病院から一層の情報提供を求める声は多い。岩手県立中央病院(岩手県盛岡市・685床)薬剤部では、外来化学療法患者のQOLと治療効果の向上を目的に、お薬手帳への化学療法シールの貼付、地域の保険薬局と合同での「がん薬薬連携研修会」の開催など、情報共有と患者指導の地域標準化を推進している。病院と保険薬局の薬剤師による“face to face”の連携で目指す、薬物治療の質向上への取り組みを取材した。
C-Pharmacy-4独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院/はるか薬局
薬薬連携による包括的な患者支援への一歩(1653KB)
- 独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 薬剤部長 磯谷 聡 先生
- 独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 副薬剤部長 伊藤 和幸 先生
- 独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 副薬剤部長 河井 和子 先生
- 有限会社はるか薬局 三条支局長・管理薬剤師 石川 雄久 先生
- 有限会社はるか薬局 三条支局 鈴木 一志 先生
~院外処方せんへの検査値記載とその意義~
保険薬局の薬剤師が患者さんを支援するための重要な情報に臨床検査値がある。これまでもお薬手帳への検査値シールの貼付などが進められてきているが、病院・診療所、保険薬局、患者個人のそれぞれの問題意識に委ねられ、組織的な検査値情報の共有化の取り組みは必ずしも容易ではない。独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院(名古屋市南区・663床)は、2014年5月から院外処方せんへの検査値の記載を開始したほか、地域医療情報ネットワークを活用した情報共有化など、薬局薬剤師が地域医療チームの一員として一層の貢献を果たすための環境整備を進めている。薬薬連携を通じて地域医療の充実を目指す取り組みを取材した。
C-Pharmacy-5株式会社育星会
「患者さんに本当に必要なこと」を追求した薬局の運営(1125KB)
- 取締役 店舗管理部 部長 白井 健一郎 先生
- 取締役 統括管理部 部長 木村 隆 先生
- カイセイ薬局 長田店 薬局長 杉本 益規 先生
~在宅訪問サービスを軸に地域のニーズに向き合う~
大阪府を中心に35の保険薬局を運営する株式会社育星会は、1975年に若手薬剤師25名で設立して以来、患者さんが困った時に頼りになる薬局であることを一貫して目指してきた。1990年代に在宅訪問サービスカーを導入し、在宅医療への組織的な取り組みをスタート。さらには介護保険制度の開始により増大する在宅医療のニーズに対応して、在宅介護を主な業務とするカイセイ薬局長田店を全国に先駆けてオープンした。薬剤師として「患者さんに本当に必要なことは何か」を追求する同社の取り組みについて、在宅訪問サービスを中心に紹介する。
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