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花粉症治療・臨床現場より

-万能薬はありません！では・・・？-

【演者】

医療法人友耳会　府内耳鼻咽喉科　院長
植山 茂宏 先生

スギ・ヒノキ花粉症の罹患患者数は、近年急激に増加し、全国民のうち3400万人が罹患と推算されている。また、治療方法も薬物療法、手術療法および免疫療法と多岐にわたり、そのコンビネーションも含めると、最前線の臨床現場での治療法の選択は、繁忙期の診療状況を考え合わせると日々苦慮を重ねることとなる。特に薬物療法の薬剤選択基準については、個々の医師の各薬剤に対する潜在的な印象等による瞬時の判断によるところが多く、花粉症終了時には、医師・患者ともに選択治療法・薬剤への不満足感が重く残存することとなる。
本講演では、花粉症治療薬の良否は患者の主観的な選択との根源的な視点をもとに、快刀乱麻の治療法の提供は行い得ないが、自験例を元に考察を行い、私自身として最大限の工夫を重ねた飛散期の各薬剤のタイムリーな使い分け、患者背景の簡潔な把握法、および重症度と薬効のマッチングについて、最大公約数的な薬剤選択法の一つを紹介させていただく。また、花粉症治療においておそらくは共通に抱いている疑問点や忸怩たる不満を先生方と示しあい、解決の方向性が少しでも共有できるディスカッションの時間も設けたい。来るべき花粉症シーズンにて先生方と共に従来よりベターな診療となり得ることが本講演の本意になる。