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乾癬性関節炎に対する治療アプローチ

【演者】

東京大学大学院 医学系研究科 皮膚科学　教授
佐藤 伸一 先生

乾癬性関節炎（関節症性乾癬）は、以前は関節リウマチと異なり予後良好な疾患と考えられていたが、近年では、早期から関節びらん等の関節破壊が認められるなど、予後不良な疾患と捉えられるようになってきた。乾癬性関節炎は関節症状より皮膚症状が先行することが多いため、診断に果たす皮膚科医の役割は大きく、早期に診断して関節破壊を可能な限り予防することが求められている。また、TNF阻害薬などの生物学的製剤の登場により、関節破壊の進展抑制が期待できるようになった今、乾癬性関節炎診療においても提唱されるtreat to target（T2T）やwindow of opportunityの概念についても治療戦略として理解しておく必要がある。本セミナーでは、乾癬性関節炎の病態をあらためてレビューするとともに、乾癬性関節炎患者の関節機能の維持を目指した治療戦略について考えたい。