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CGMを用いた糖尿病治療の最適化

ー低血糖を回避する方策を含めてー

【演者】

東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科　主任教授
西村 理明 先生

　糖尿病患者に対する厳格な血糖管理の予後への影響を評価した複数の大規模介入試験の結果によって、低血糖のリスクを回避しつつ血糖管理を行う重要性が示された。
　特に高齢者は、腎機能の低下や認知機能の低下、食事量の不安定化などの複数の要因により低血糖を起こしやすい。また、自覚症状の現れない低血糖の発症が多いことにも注意を要する。高齢の糖尿病患者が急増する日本の糖尿病治療においては、HbA1cによる血糖値の評価だけでなく、持続血糖モニター(continuous glucose monitoring：CGM)等を用いて日々の血糖変動を把握し、低血糖を回避した目標血糖値の設定および薬剤選択を行うことが肝要である。
　DPP-4阻害薬は単独では低血糖を起こしにくいこともあり、日本で広く処方されている。CGMデータを用いながら、DPP-4阻害薬単独および併用療法による低血糖を回避するための治療方針について解説したい。