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循環器内科医から見たSGLT2阻害薬とその配合剤への期待と課題

【演者】

徳島大学大学院医歯薬学研究部 循環器内科学分野
佐田 政隆 先生

わが国では、高齢化や肥満に伴い、糖尿病患者が増加の一途をたどっている。冠動脈疾患患者における糖代謝異常の割合が57％との報告もあり、動脈硬化性疾患の発症、進展阻止を目指した血糖コントロールに加え、低血糖、血糖変動、インスリン抵抗性に考慮した糖尿病治療が重要と考える。インスリン抵抗性は脂肪組織と関連性が高いことが知られており、中でも冠動脈周囲に存在する心臓周囲脂肪が、血管の慢性炎症に深く関与し、冠動脈プラークの進展と不安定化への重要な役割を担っている。薬物治療において、低血糖や血糖変動の是正を含めた良好な血糖コントロールが期待できるDPP-4阻害薬が広く使われている。最近では、SGLT2阻害薬のもたらす影響が、心・腎アウトカム試験結果の発表以降、大きな注目を集める中、日常診療においてDPP-4阻害薬への併用で治療するケースも増えている。
本講演では、循環器医の立場から、糖尿病治療におけるDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬が担う役割とその配合剤の有用性について考察したい。