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高齢者の糖尿病治療と食後高血糖

【演者】

千葉大学大学院 医学研究院細胞治療内科学　教授
横手　幸太郎 先生

糖尿病治療の目的は合併症の予防にある。高齢化が進む現在では、細小血管障害や動脈硬化に加え、認知症や癌も糖尿病の合併症と考えられている。健康寿命を延伸させるために、今後、糖尿病の予防と治療が果たす役割は大きい。
　低血糖は心血管リスクを増加させるだけでなく、高齢者では認知症の発症を高めることが報告され、従来の血糖“低下”治療に加え、血糖の“平坦化”や“正常化”を目指す管理の必要性が認識される。
　そのような状況においてDPP4-iには、血糖依存性のインスリン分泌刺激やグルカゴン分泌抑制作用による食後高血糖改善効果、さらには神経保護や骨折予防効果のデータも得られつつあり、我が国における糖尿病治療の中心的役割を担う薬剤として期待される。