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保険薬局トレンドリポート

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処方せんがなくても気軽に入れる“相談薬局”を実現~今、身近な存在としての薬剤師を見てください~

 
ウイン調剤薬局 横浜西口店
店長
鈴木 伸悟 先生(写真:右)
 
ウイン調剤薬局 横浜西口店
薬剤師
中川 真衣 先生(写真:左)
 
 
(神奈川県横浜市)
神奈川や福島、栃木など東日本エリアで店舗展開をしているウイン調剤薬局。その32店舗目の薬局として2015年1月にオープンしたのが、今回紹介する横浜西口店です。こちらの店舗は「同社初の面展開の薬局」という点が特徴。開店初月に持ち込まれた処方せんは月70枚だったのが、1年後にはなんと400枚超に。医療機関200施設以上から処方せんを受け付けています。一年足らずで市民に親しまれる調剤薬局に成長した秘訣となる取り組みについて、店長の鈴木先生と薬剤師の中川先生に伺いました。

処方せんがなくても入れることを外装でアピール

—特定の医療機関の門前薬局ではなく、横浜駅の西口という利便性の高い立地にある面薬局という点が貴店の何よりの特徴となっています。そして、店長として店舗立ち上げから大きく関わってきたのが鈴木先生です。

鈴木先生:
 私が小さい頃は商店街に小さな薬局があって、風邪を引いたり、体調が悪くなると、まずそこに行って薬剤師さんに相談し、薬を選んでもらっていました。町の人たちにとって頼れる存在の薬剤師さんに憧れて、私も薬剤師の道を選びました。ところが、いざ薬剤師になってみると、かつての薬局は街から無くなり、市販薬はドラッグストアで購入、調剤薬局は処方せんを応需するだけの場所になっていました。自分の理想とする薬局で理想とする薬剤師として働きたいと思っていた私にとって、この横浜西口店の開店の話は本当に嬉しく、横浜という進化し続ける街で、昔ながらの薬局を蘇らせたいという思いで取り組んでいます。


—門前薬局ではないだけに、患者さんをどうやって獲得していくのか。そのあたりの取り組みについて教えてください。

ウイン調剤薬局 横浜西口店鈴木先生:
 何もしなかったら持ち込まれる処方せんはゼロ。だからといって、ドラッグストアのようにお菓子を安く売ってお客さんを集めるようなことはしたくありません。そこで、セルフメディケーションの観点から処方せんがなくても入ってきてもらうにはどうしたらいいかを考えました。
 当店では、OTCや医療雑貨などおよそ400品目を配置しているのですが、まずアピールです。ドラッグストアの形式を真似て、OTCの空箱をボリュームを持たせて積むことにしました。そうすることで、薬が手に取りやすくなり、店舗の敷居がグンと低くなる。さらに、この薬局がどういった薬局なのかを周知してもらうために、ポスターの掲示をするなど外装にもこだわりました。


—ポスターでは、「あなたに合った市販薬をお選びします」「あなたの健康をサポートします」といったキャッチコピーに加えて「相談薬局」という文字も目につきます。

鈴木先生:
 「この薬局は処方せんがなくても入れる薬局なんだ」と、道行く人に知ってもらうことが重要ですから。実際に、「市販薬だけ買っても大丈夫なんですか?」と恐る恐る聞いてくるお客さんもいらっしゃいます。まだまだ調剤薬局は処方せんのみ扱っている場所と思われている方が多いことを実感しますね。


—処方せんがなくても入れる薬局ということが認知されることで、患者さんの数が徐々に増えていったのですね。

鈴木先生:
 そうですね。OTCのなかでも、とくに売れるのが第1類医薬品の頭痛薬です。これは薬剤師が常駐していないドラッグストアでは販売できないことから、当店でお求めになる方がとても多いです。そして、OTCを販売するときも、しっかりとその方の症状を聞いた上で、薬の特徴を説明し、場合によっては受診勧奨もすることから、「ここはドラッグストアとも違う、自分の身体のこと、健康のことをきちんとアドバイスしてくれる薬局なのだ」と分かってもらえるんです。すると、今度からは薬を買うだけではなく、病院にかかったときの処方せんをお持ちになり、リピーターとなってもらえます。そうこうするうちに、最初は一日2枚だった処方せんが次の月は10枚、また次の月は20枚へと増えていったのです。


受診勧奨をすることで信頼を得て、リピーターを獲得

—求めに応じてOTCを売るだけではなく、受診勧奨も行っているというのは素晴らしいですね。

受診勧奨の掲示鈴木先生:
 受診勧奨はけっこう多いですよ。先日も40代の患者さんがいらっしゃって、「頭痛がひどくて。こんなに頭が痛いのは初めて」とおっしゃるんです。その方は頭痛薬が欲しいとおっしゃったのですが、話を聞くうちに、くも膜下や脳出血の可能性もあることを考え、薬は売らずに、まずは病院に行って診てもらうようにとお話ししました。その患者さんは「分かりました」と言って薬局を後にし、しばらくしてから、処方せんを手にしてふたたびいらっしゃったんです。「病院に行って、医師に診てもらったら、とりあえずは異常なし。でも、病院に行っておいてよかったよ」と安心したように報告に来てくださいました。この方は、何もなかったとのことで安心しました。OTCの相談に来られた方が、実際に病院にかかって、処方せんを持ってきてくださるようになれば、その方の経過をきちんとこちらで追うことができます。


—薬を売るだけではなく、その方の病気の経過も追うことができるというメリットもあるのですね。

鈴木先生:
 この地区はビジネスマンの方が多く、できれば病院には行きたくなく、てっとり早く薬で症状を抑えたいとおっしゃる患者さんが多いです。そこでありがちなのが、ドラッグストアで薬のパッケージを見て自分で判断して買ってしまうこと。そこもなんとか変えようと、当店では薬は全て、メーカーではなく、成分をベースに置き場所を配置しています。同じ痛み止めでもそれぞれ効果が違い、値段も違う。その違いを成分を見て把握し、患者さんの症状に照らし合わせてベストなものを提示する。これができるのは、薬剤師だけです。また、当店では受診勧奨表を作り、「こんな症状の方には受診をすすめる」といった基準が一目で分かるよう工夫しています。忙しいとおっしゃる方からもちゃんと話を聞き、時には病院を紹介するなど、親身になって対応することで、信頼を得て、リピーターになってもらえることも多いんですよ。


 
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