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保険薬局トレンドリポート

保険薬局トレンドリポート

オリジナルのエコバッグを活用し、残薬解消を実現

 
クオール薬局 高輪店
薬局長
中島 基裕 先生(写真左)
 
クオール薬局 高輪店
薬剤師
藤平 智子 先生(写真右)
 
 
(東京都港区)
2014年4月に開局したクオール薬局 高輪店では、近隣の東京高輪病院をはじめとする100軒もの医療機関より、月間約5,000枚の処方箋を受け付けています。日常の調剤業務の中で次第に浮き彫りになったのが残薬を抱える患者さんの存在でした。そこで2015年6月に開始したのがエコバッグを利用した残薬の確認と整理です。この残薬解消の取り組みについて、薬局長の中島基裕先生と薬剤師の藤平智子先生にお話を伺いました。

オリジナルのエコバッグを利用

—貴店が残薬解消の取り組みを始めた経緯をお聞かせください。

藤平先生:
 当店では投薬の際に必ず、残薬の確認をするのですが、「実はいくつか残っていて…」とおっしゃる患者さんが多かったんです。患者さんはお薬が余って困っている、私たちは飲み間違いによる症状の悪化が心配。―これはなんとかしなくては!と思ったのがきっかけです。

中島先生:
 そこで局内で残薬の解消法について検討しました。まずは、自宅にある残薬を全て薬局に持ってきてもらおうと考えたのですが、ただ「持ってきてください」と言っても、わざわざ持ってきていただけることは少ない。そうして持ち上がったのが、薬を入れるオリジナルのエコバッグを提供するアイデアでした。


—(早速バッグを拝見)マチつきで容量も大きく、持ち運びが便利そうですね。

リトレンジバック中島先生:
 実は店舗開店の記念品として、患者さんにお渡ししたこともあるエコバックなんです。クオールでは、リトレンジバックと名付けています。リトレンジとは、Retrieve(回収する)+Arrange(整理する)の言葉を合わせた造語です。


—実際に残薬の回収はどのように行われるのでしょうか?

藤平先生:
 残薬があるという方に、「ご自宅に残っている薬をこちらに入れてお持ちください」と伝えてこのバッグを渡します。中には、複数の科や病院を受診していて、飲みきれないほどの薬を抱えている患者さんもいらっしゃいます。そこで、患者さんがお持ちになった薬を全て薬剤師が確認し、いつどこで処方された薬が何錠残っているのかをチェックします。そして、患者さんの了解を得た上で期限切れの薬は処分し、まだ使える薬があれば医師に連絡し処方日数の調整を依頼します。


疑義照会による処方の見直しも

—残薬のある患者さんに特有の傾向はありますか?

藤平先生:
 高齢者や認知症の方は確かに多いのですが、一日3回服用の薬などはお昼に飲み忘れることが多く、漢方薬など食前に服用する場合も忘れがちです。また、服用量や服用回数が多かったり、特殊な服用方法のものも残薬になりやすくなります。一方で、便秘薬などは必要がないと飲まずにどんどん溜まってしまうケースが多いようです。


—残薬解消のために、服薬指導ではどのような工夫をしていますか?

藤平先生:
私個人としては、残薬があるということ自体を否定しないように心掛けています。「飲み忘れることはありますよね。どのような時に忘れますかね~」と、特別なことではないように装って話を続けます。ほとんどの方が薬を飲みきれていないことに罪悪感を持っているので、決して問い詰めず、残薬があることを正直に打ち明けてもらうことを重視しています。

 また、「次の受診日が1カ月先で忘れてしまいそう」という患者さんには、「差し支えなければ受診日の前日にご自宅にお電話しましょうか」と持ち掛けます。そして電話をした時に、「もしお薬が残っていたら、バッグに入れて持ってきてくださいね」ともう一度お話しします。その場合にも無理強いはしないようにしています。


—残薬に関して、医師への疑義照会はどのように行っているのでしょうか。

藤平先生:
患者さんにお持ちいただいた残薬を確認し、「○日分○錠残っている」「処方日数を○日から○日に減らしたい」というメッセージをファクスで送り、問い合わせをします。複数の科を受診されている方の場合は、処方の都度、処方箋を照らし合わせて薬の調整をした上で疑義照会をします。この取り組みを始めてから半年で、疑義照会をして薬を減量した患者さんはおよそ15人です。その他も入れると20人ほどの患者さんの残薬解消を実現できました。薬を減らせた方からは「おかげで、その後は処方された薬をきちんと飲みきることができました」と報告を頂き、嬉しくなりました。
残薬が多くなると、その対処法を考えるだけで憂鬱になりますよね。それを薬局で整理できれば手元の薬がリセットされ、患者さんも初心に帰って飲んでみようと思うことができる。そのきっかけ作りになれれば本望です。


—残薬に困っている患者さんと接して、特に感じるのはどんなことでしょうか。

藤平先生:
 残薬が発生する根本的な原因に目を向ける必要があると思います。お昼に服用しなくても問題なければ、1日3回は必要ないのかもしれないわけですから。医師に薬剤や回数の変更を提案してみる。逆に、飲む必要があるのに飲み忘れてしまうのであれば、どうすればきちんと飲めるのか患者さんと考えてみる。そうしてさらに一歩踏み込めれば、医療費削減はもとより、患者さんの治療にも好影響があるはずです。


 
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