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保険薬局トレンドリポート

保険薬局トレンドリポート

高いスキル、医薬連携、患者さまとの信頼関係の構築で移植医療やがん医療をサポート

株式会社日本生科学研究所
医薬事業本部 本部長補佐
中央第一エリア エリアマネージャー
土井 信幸 先生  
株式会社日本生科学研究所 医薬事業本部 本部長補佐
中央第一エリア エリアマネージャー
土井 信幸 先生
 
 
(東京都新宿区)

 大学病院・大病院の門前薬局を中心に店舗展開している日本生科学研究所。東京を中心に神奈川、埼玉などのおよそ30店舗で年間合計約60万枚もの処方せんを扱い、勤務する薬剤師は130名にのぼります。臓器移植やがん治療など高い専門性を要する患者さまに対しての対応、病院の医師との連携など、特定機能病院の門前薬局に求められる配慮や取り組みについて伺いました。

医薬連携や服薬の長期的管理で副作用への不安を排除
—特定機能病院の門前薬局では、移植医療などの専門的な知識が必要となる患者さまも多くいらっしゃるとうかがいました

土井先生:
 東京女子医大など移植医療が行われている病院の門前では、十数年前の開局当初から臓器移植後のアジュバント療法などに積極的に取り組んでいます。今でこそ、移植後のアジュバント療法に用いる免疫抑制剤は選択肢も増え、用量設定についてのエビデンスも数多くありますが10年以上前は使用できる免疫抑制剤の種類も少なく、使い方についても多くの試みがなされている状況でした。その様な状況でも保険薬局としてどのような目的で処方されているのか、用量や処方内容の変更にはどのような意味があるのかをひとつひとつ把握していなければなりません。患者さまから免疫抑制剤に対する不安の声があれば医師と連携をとるなど、医薬連携、薬薬連携を図り、試行錯誤をしながら私たち自身も移植医療について勉強し、患者さま対応を行ってきました。


—移植後の薬物治療で特に薬剤師が配慮する点としてどんなことが挙げられるでしょうか

土井先生:
 移植後は数十年間に亘って服薬を継続する必要がありますが、その中で最も注意すべきなのは副作用です。


—具体的にはどのような副作用が考えられますか。また、それに対する薬局としての対応をお聞かせください

土井先生:
 代表的な例としてステロイドの長期投与が挙げられます。ステロイドは免疫系の疾患の治療において中心的な役割を果たしていますが、長期連用による骨粗鬆症、眼圧上昇、精神変調、血栓症などの循環器への影響、糖尿病などさまざまな副作用が発現する可能性があります。こうした副作用を長期的に観察し、患者さまの不安を取り除き、アドヒアランスを維持することが移植医療に関わる保険薬局薬剤師の役割のひとつだと考えています。


—長期に亘る治療だけに患者さまの不安を取り除くという点はとくに配慮が必要なことなのでしょうね

土井先生:
 そうですね。治療の初期から維持期への移行や検査値の変動による処方変更や新たな薬剤が導入されることも多々あります。今後も副作用が少なく、服用回数の少ない免疫抑制剤が開発され臨床に導入されることが予想されますが、患者さまにとっては投与される薬剤が変わることへの不安も当然あることでしょう。この不安をいかに取り除けるかは私たち保険薬局側にかかっていると思います。移植医療に関する薬物治療への知識を高め、取り組みを発展させることで患者さまにきちんと服用してもらい、そして移植した臓器を長期的に保てるようにすることが私たちの責務だと考えています。


—とはいえ、患者さまへの対応で難しいことも多いのではないでしょうか

お薬渡し口 土井先生:
 こちらの押し売りでは患者さまは服薬してくれません。大切なのは患者さまと私たちの信頼関係です。患者さまの中には小児のときに移植をし、現在は社会人になられている方もいらっしゃいます。その間、薬剤の変更があれば体調を気遣い、副作用の有無を確認し、患者さまと病院の双方とコミュニケーションを図ってきました。こうした、患者さまの多様なニーズに応える地道なお付き合いこそがお互いの信頼関係につながっているのだと思います。また、長い間、親御さんとともに患者さまの成長を見守れるということは薬剤師の喜びでもあるんですよ。


感染予防、多剤併用療法における服薬指導も徹底
—服薬指導など患者さまへの働きかけはどのように行っていますか

土井先生:
 服薬指導に関して私たちが一番に重視しているのは患者さまとのコミュニケーションです。時間のない医師に代わって、薬物治療に対する不安について、できる限り多くの時間を用い患者さまの不安の解消に取り組んでいます。また、抗がん剤、臓器移植後のアジュバント療法、リウマチの薬物治療などにより免疫が低下している患者さまにとって、治療中の感染予防はとても重要です。免疫抑制剤による治療を行っている患者さまはカリニ肺炎やインフルエンザなどが重症化するケースが多く、感染症に対する予防薬も処方されます。こうした免疫疾患の患者さまは服薬が複雑となることが多く、服用ミスが大きな副作用につながることが考えられます。したがって多剤併用の患者さまに対し、安全かつ適正に指導することが重要です。そこで、一包化や写真つきの薬袋、薬剤情報やお薬手帳などで服用日を理解しやすくするさまざまな工夫を行っています。

 
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