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保険薬局トレンドリポート

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リスクマネージメントのIT化により質の高い医療提供が実現

さくら薬局 第二北里店
中川 優里 薬局長  
さくら薬局 第二北里店
中川 優里 薬局長
 
 
 
(神奈川県相模原市)

 “患者さまに選ばれる薬局”を目指した店舗づくりやサービスの提供を実践しているクラフト株式会社から、今回ご紹介するのが神奈川県相模原市にある「さくら薬局第二北里店」です。特定機能病院に指定されている北里大学病院の門前薬局として多種多様な処方に対応する一方で、作業の効率化と医療過誤対策の面から社内でもいち早く機械化を進めた店舗でもあります。独自のピッキングシステムとその機能の活用方法を中川優里薬局長に伺いました。

システム導入と注意喚起の工夫で過誤防止
—北里大学病院の門前薬局ということから、処方箋や扱う医薬品も特殊な内容のものが多いのではないでしょうか

中川薬局長:
 処方箋は平日で平均300枚弱ほどになり、1,800種類もの医薬品を扱っています。遠方から通われている患者さまも多く、ひとりの患者さまに多くの薬剤が処方されるケースも少なくありません。現在、当薬局には9名の薬剤師がおり、調剤や服薬指導を行っております。業務で何より重視しているのが調剤過誤を無くすことです。最善の注意は払っていても人が行うことなので、思い込みや勘違いなどのヒューマンエラーはどうしても起きてしまいます。また、作業環境や機器の誤動作といった外因的要素も調剤過誤の原因の一つです。このような原因を把握し、過誤を限りなくゼロに近づけることは薬局にとって最大かつ永遠の課題です。


—安全対策として具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか

中川薬局長:
 様々な過誤防止機器システムの導入と薬剤師への視覚に対する注意喚起といったふたつの方向性でリスクマネージメントを行っています。


—まず、システムを活用した過誤防止策について詳しくお聞かせください

ハンディターミナル 中川薬局長:
 最初に当店で調剤過誤防止システムを取り入れたのは2006年(平成18年)のこと。医薬品の取り間違い、戻し間違いを防止するPCS(ピッキングチェックシステム)を導入しました。これは、錠剤の棚にすべてバーコードを付け、処方の医薬品を手にする時にハンディターミナルでバーコードを読み取り、処方箋のデータと実際にピッキングした医薬品が合っているかを照合するシステムです。万が一、取り間違えがあった場合は警報音と振動で知らせてくれます。


—貴店では錠剤のピッキングシステムだけではなく散薬監査システムも導入されているそうですね

中川薬局長:
 2008年(平成20年)に導入しました。散薬で気を付けなければいけないのは計量間違いです。この散薬監査システムでは処方箋の入力データと実際に計量した数値とに5%以上の誤差が出ると警報画面が出て、そこから先に作業が進めなくなります。また、年齢別服用上限量のチェックも行えるため、上限量をオーバーしている場合は病院に連絡を入れ、疑義照会を行います。中には適宜増減にあたるケースもあるため、その場合は薬歴システムに入力し、記録として残します。さらに、一日の終わりには警報画面になった調剤の一覧を出力し、再度、過誤がないかをチェックします。


—注意喚起によるリスクマネージメントについて教えてください

医薬品の保管棚に注意喚起を促すラベル 中川薬局長:
 視覚に訴えかける工夫として医薬品の保管棚に注意喚起を促すラベルを張っています。取り間違いでいちばん多いのが同じ種類の規格間違いと似た名前の医薬品です。規格の取り違えを防ぐため、量の多いものは赤、少ないものは黄色のラベルを棚に貼っています。さらに並べる位置も日本人は右利きが多いことから、右側に少量の規格のものを置いています。万が一間違えても、渡したものが少量であれば健康被害も最小限に抑えられるからです。ラベルも大きいものにし、調剤時にわざと手に触れるようにし、注意を促す工夫もしています。また、過去のインシデント事例などを元に、間違えやすい医薬品には類似名称注意ラベルを貼り、過誤防止に努めています。


—実際にこれらのシステムが役に立った事例などはありましたでしょうか

中川薬局長:
 ある時、患者さまが「薬袋のなかに処方以外の薬が混じっていた」といらっしゃったことがあったんです。そこですぐに調剤時の記録と患者さまの薬歴を調べました。その結果、ピッキングチェックシステムでは処方箋通りに調剤されており、患者さまがお持ちになった薬剤は5年前に処方されたものだということが分かったんです。患者さまが保管する際に、以前残っていた薬を混ぜてしまったようなのですが、幸い、服用されていなかったそうでよかったです。調剤や薬歴などもシステムの一環で記録していますので、いつ誰が調剤したかまで記録として残すことができ、すぐに原因を突き止めることができました。

 
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