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保険薬局トレンドリポート

保険薬局トレンドリポート

患者さまの生活を支える為の医療を提案することが在宅医療の本質

株式会社アインファーマシーズ
薬局運営部 在宅医療課 課長
アイン薬局夕張店
山口 俊司 先生  
株式会社アインファーマシーズ
薬局運営部 在宅医療課 課長
アイン薬局夕張店
山口 俊司 先生
 
(北海道夕張市)

 アイングループでは、現在地域医療へのさらなる貢献の一環として在宅医療への取り組みを進めており、そのモデル店舗として在宅医療の試験的サービスを開始したのがアイン薬局夕張店(北海道夕張市)です。在宅医療専任の薬剤師を配置し、各種管理データを作成すると共に、夕張市立診療所、民生委員等の在宅医療従事者とも連携するなど、単に薬剤の配達に留まらない、同店ならではの在宅医療への革新的な取り組みをご紹介します。

高齢化率45%の町を舞台に社内初の在宅専任薬剤師に
—山口先生は2008年9月に在宅専任薬剤師として夕張店に赴任されたそうですね

山口先生:
 在宅医療を行っている店舗は他にもありますが、当社で在宅専任薬剤師を置くのは夕張店が初めてです。その第一号として任命されたのが私ですが、実は在宅医療の経験はありませんでした。ただ、以前の小樽店では終末期の患者さまに接することが多く、終末期と在宅医療はイコールではないものの、より密接に患者さまに寄り添うという共通点があることから在宅専任の薬剤師に興味を持っていました。


—在宅医療について、どのような取り組みからはじめましたか

施設同行(医師)山口先生:
 まず病院の医師に教えを請うというスタンスからスタートしました。最初は、往診に薬剤師を同行させてもらうほか、カンファレンスにも参加し、連携できることには積極的に関わろうと心がけました。幸いだったのは病院の先生が私たちの取り組みを理解してくださったことです。「参加したいものがあればいつでもどうぞ」とおっしゃってくださったのですぐに溶け込むことができ、昼食をご一緒したり、コミュニケーションを深めながら在宅医療の重要性や夕張エリアの医療の特徴などを着実に理解することができました。


—夕張というエリア特性はどのように感じられましたか

山口先生:
 ひとことでいえば超高齢社会の象徴です。高齢化率は45%にも上り、「40~50年後の日本の縮図のようだ」と実感しました。私たちが担当している在宅の患者さまはおよそ80名ですが、個人宅が50、グループホーム20、ケアハウス10という内訳で、そのほとんどの方が大正生まれです。中には明治生まれの100歳の方もおり、「昭和生まれ」と聞くと「若いなぁ」と思うほどです。さらに、ご存知のとおり、夕張市は財政が破綻し、病院、薬局、医師、看護師等あらゆる医療資源が不足した状況にあります。こうしたなかで、多くの方が老老介護という状況に置かれているのが現実です。


患者さまの服用状況を把握し、服薬指導を充実
—具体的にどのような在宅医療を行っているのでしょうか

バイタルサイン山口先生:
 私たちの場合、あえて医師とは違う日に訪問をしています。患者さまは、医師に聞きたいことや伝えたいことがあっても、実際に医師を目の前にして聞けるのは10のうち1つか2つという印象があります。そこで私たちが代わりに話を聞き、バイタルサインを確認するとともにその内容を医師に伝えることで診療の役にも立てるのではないかと考えています。また、訪問タイミングについては処方の日数に合わせるのが基本ですが、患者さま自身できちんと薬剤管理ができない方がいらっしゃれば訪問の間隔を変えるなど個々の患者さまによって対応しています。
患者さまに対して薬剤管理と服薬指導を手抜かりなく行うのが薬剤師業務の基本であり、それをやらないと本来の在宅医療の意味をなさないと思います。


—患者さまのほとんどが高齢者ということで、特に気を遣っていることを教えてください

山口先生:
 多種多量の服薬や、複雑な用法を強いることなく、できるだけシンプルな処方を医師に提案しています。また、高齢者では当然、腎機能や肝機能も低下していますので、それらに影響を与える薬剤をチェックする等の工夫も行っています。


—これまでに関わった患者さまで特に印象に残っているエピソードを教えて頂けますか

山口先生:
 全盲で独り暮らしをしながらインスリンを自己注射し、私たちが在宅医療に介入する前から血糖値の変動が激しい患者さまがいました。そこで医師や看護師にもお願いし、一緒に自宅に伺い、ご自身で注射の操作をするところを実際に見せて頂きました。すると、混合動作が不十分なうえ、握力が極端に弱いために注射が安定せず薬剤が正しく注入されていないことが原因だとわかりました。そこで補助器具をつけるように提案したほか、朝や夕方など食事の時間に合わせて訪問して、薬剤の飲み方やインスリンの投与の仕方などをひとつひとつていねいに指導しました。その後も3年間にわたり毎週訪問し、その患者さまは今でも独居でインスリンを注射しています。こうした地道な取り組みで患者さまの病状を改善できたことが嬉しいですね。
今では別に暮らしている息子さんからも信頼を得られ、情報交換などもできる関係を築くことができました。


—単に薬剤を自宅に届けるのではなく、その薬を患者さまがどう服薬しているのかをきちんと見ていらっしゃるのですね

山口先生:
 患者さまというのは、「薬飲んでいますか?」と聞けば「飲んでいます」、「薬を注射していますか?」と聞けば「しています」と答えるものです。でも、実際にその現場を見ないと真実は分かりません。病状が安定しない原因は、実は薬を正しく服用できていないという可能性もあります。

 
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