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novの特性・臨床成績など

特性(特徴)、開発の経緯、警告・禁忌を含む使用上の注意などを医療関係者の皆様に向けてご紹介

開発の経緯

アルガトロバン水和物注射液は三菱化学(株)及び神戸大学岡本彰祐名誉教授により、1978年に合成された世界初の選択的抗トロンビン剤(注射剤)である。

本剤はアルギニン骨格を有する分子量約530の化合物であり、トロンビンによるフィブリン生成、血小板凝集及び血管収縮を抑制する(いずれもin vitro)。基礎検討及び臨床開発治験の後、1990年1月、「慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)」の効能・効果について承認され、同年6月、東京田辺製薬(株)(現:田辺三菱製薬(株))よりノバスタン注※1の商品名で発売された。その後更に開発治験が継続され、1996年4月、「脳血栓症急性期※2」及び「アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)低下状態における血液体外循環(血液透析)※3」の効能・効果について追加承認がなされた。アルガトロバン水和物に関する特許は、物質特許、製法特許、用途特許など(いずれも三菱化学所有)が、日本、米国、欧州各国、その他の国で登録されている。このアルガトロバン水和物注射液は1991年度(第38回)大河内記念技術賞「選択的抗トロンビン剤の薬物設計とアルガトロバンの開発」を受賞した。

アルガトロバン水和物注射液は1アンプル20mL(10mg/20mL)のアンプルであることから、「アンプルカット時の受傷に対する恐怖感の軽減」、「薬液調製時の利便性向上及び作業負荷軽減」、「アンプルカット時のガラス片混入リスクの軽減」、「製品保管スペースの軽減」、「廃棄処理の負担軽減」等、医療機関からの製剤改良の要望が強かった。これをふまえ、小型化アンプル製剤の開発を進めた結果、従来製剤を高濃度化した1/10容量(10mg/2mL)の製剤化に成功し、2005年3月に承認を受け、同年7月ノバスタンHI注10mg/2mLの販売名で発売された。

なお、「慢性動脈閉塞症」については1998年3月12日、「脳血栓症急性期」及び「アンチトロンビンⅢ(ATⅢ)低下状態における血液体外循環(血液透析)」については2004年3月23日に再審査結果が通知され、それぞれ薬事法第14条第2項各号(承認拒否事由)のいずれにも該当しないとの結果を得ている。

一方、海外では2000年米国において「ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)における血栓症の予防及び治療」が承認されたのを始め、その他の国でもHIT治療剤として使用されている。本邦においてもその必要性が高く、社団法人日本医師会治験促進センターの事業である医師主導治験※4において、2004年1月に循環器領域の治験薬として本剤が選出され、医師主導治験(ARG-J試験)が実施された。その結果をもとに、本邦初のHIT治療薬として2008年7月「HITⅡ型における血栓症の発症抑制」の効能・効果が追加承認された。

その後、「HITⅡ型における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)」及び「HITⅡ型(発症リスクのある場合を含む)における経皮的冠インタベーション施行時 の血液の凝固防止」について、欧州で用法・用量が承認され、また、国内使用経験報告等の新たな情報が収集されたことから、効能・効果の追加に係わる製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、2011年5月に効能・効果が追加承認された。なお、HITに係る3つの効能・効果については、2004年3月に希少疾病用医薬品の指定を受けている。

※1
2006年3月販売中止
※2
発症後48時間以内、またラクネを除く
※3
先天性ATⅢ欠乏患者及びATⅢが70%以下で、かつ、ヘパリンで体外循環路内凝血(残血)が改善しないと判断された症例(血液透析)に限定されている。
※4
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(GCP)に基づき、研究者(医師)が主体となって実施する臨床試験で、薬事法改正により2003年7月より可能となった。

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